1.9系の最新版となるRuby 1.9.3 p0リリース

 Ruby開発チームは10月31日、Ruby 1.9.3系初の正式版「Ruby 1.9.3 p0」をリリースした。Ruby 1.9系の最新版となる。1.9.3ではライセンスが変更されたほか、組み込みクラスの機能追加、新ライブラリの追加、パフォーマンスの向上などが行われている。

 Ruby 1.9.3 p0はRubyの最新の安定版という位置付け。本バージョンからはライセンスが従来のGPL 2とRuby Licenseのデュアルライセンスから、二条項BSD LicenseとRuby Licenseのデュアルライセンスに変更されている。

 ライブラリ関連の変更点としては、ARGFクラスへの新メソッド追加や、配列を扱うArray#packやString#unpackへのエンディアン修飾子の追加、「File::NULL」および「File::DIRECT」定数の追加などが行われている。また、新ライブラリとして「io/console」が追加されたほか、opensslライブラリやtest/unitライブラリなども強化されている。

 実装面ではpathnameライブラリとdateライブラリがCで再実装され、性能が向上。RegexpsにおけるUnicode 6.0文字列サポートなども行われている。

 また、RubyGemsはバージョン1.8.10にアップグレードされた。Rakeは0.9.2.2、RDocは3.9.4となっている。

 なお、Ruby開発チームはMac OS X 10.7 Lionユーザーに対し、Xcode 4.1でビルドする場合は「–with-gcc=gcc-4.2」、Xcode 4.2の場合は「–with-gcc=clang」オプション付きでビルドを行う必要があると注意している。

Ruby
http://www.ruby-lang.org/