安定性や機能を多数強化したPython 3.2がリリースされる
Python Software Foundationは2月20日、Python 3.2をリリースした。Python 3系の改善と安定性強化を図るリリースとなり、文法レベルでの変更はない。
Python 3.2は2009年6月のPython 3.1以来のメジャーリリースとなる。Pythonに関する改善案を提案するPython Enhancement Proposals(PEP) 3003として安定性強化と2系からの移行を促進する目的でシンタックスを凍結することが提案されており、バージョン3.2では文法レベルの変更はなく、組み込み型が一部変更されるのみの修正となった。
Python 3.2における主要な改善点としては、以下が挙げられている。
- unittestモジュールに多数の改良
- .pycレポジトリディレクトリのサポート
- バージョンタグ付きの動的ライブラリサポート
- 平行プログラミング向けのライブラリ「concurrent.futures」の統合
- 拡張モジュール向けの安定したABI実装
- 辞書形式によるログ設定
- 競合軽減のためにGIL(Global Interpreter Lock)実装を改善
- emailパッケージが拡張され、バイナリデータを処理するための関数が追加された
- SSLモジュールでSSL Contextやホストネームマッチによる認証をサポート
- 設定情報にアクセスするためのsysconfigモジュール
- shutilモジュールにアーカイブファイルを扱うための機能などを追加
- configparserモジュールの改善
- Python debugger(pdb)の改善
- バイト列/文字列処理に関する多数の修正
- 数値演算に対する一貫性や振る舞いを多数改善
Python 3.2は、PythonのWebサイトより入手できる。
Python Software Foundation
http://www.python.org/
「What’s New In Python 3.2 ?」
http://docs.python.org/dev/whatsnew/3.2.html
「Python 3.2」ダウンロード
http://www.python.org/download/releases/3.2/