OpenSolarisプロジェクト、Oracleの意向により終了へ
OpenSolarisコミュニティメンバーは8月13日、米OracleによるOpenSolarisプロジェクトの決断を知らせる社内電子メールを公開した。OpenSolarisコミュニティによる開発活動は事実上停止となるが、開発者向けエディションとして「Solaris 11 Express」を用意する模様だ。
Oracle社内向け電子メールはSolaris開発者のMike Sharpiro氏ら3人の連名によるもので、OpenSolaris Forumが全文を掲載している。
メールでは、Oracleの戦略におけるSolarisの重要性を強調し、新規雇用を含めSolarisへの投資を増加させていると記している。同時に、「全てを行うことは不可能」とし、人と時間の面でのリミットを考慮した上で、最優先事項は「ナンバー1のエンタープライズOSの開発・提供」とする。同時に、IP保護やFUD対策の必要性も挙げている。
具体的な決断として、Oracleは今後オープンソース版と商用版のリリース順序を逆にし、まず商用版をリリースし、その後CDDLなどのオープンソースライセンスの下でオープンソース版をリリースする。「この方法により、新しい技術革新がOracleのリリースに最初に登場することになる」と説明している。バイナリディストリビューションについては、Solaris 11以外(nightlyなど)はリリースしないとしている。
今後の予定としては、まずは2011年にリリース予定の「Solaris 11」の開発にフォーカスし、年内に開発者向けのSolaris 11 Expressを公開するとしている。また、Oralce Technology Network(OTN)経由で開発中のSolarisコードにアクセスできる技術パートナープログラムの提供も予定しているという。顧客向けには「Solaris 11 Platinum Customer Program」として、顧客が開発に参加できるプログラムを用意するという。
この電子メールを掲示したOpenSolarisコミュニティメンバーのAlasdair Lumsden氏は「これでOpenSolarisは公式に終わった。とても悲しい」と記している。最初に電子メールを入手したSteven Stallion氏は自身のブログで、「オープンソース精神を完全に濫用している」と怒りを露にしている。一方、ForumではExpressのリリースをひとまず喜ぶ声も見られる。
米Oracle
http://www.oracle.com
OpenSolaris
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