Oracle名義では初となるメジャーリリース「Oracle VM VirtualBox 3.2」登場
米Oracleは5月18日、仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox 3.2」をリリースした。Oracleが米Sun Microsystemsを買収して以来初のメジャーリリースとなり、Oracleのブランドを冠して登場した。多数の新機能や機能強化が図られている。
VirtualBoxはSun Microsystemsによって開発が進められていたクロスプラットフォームの仮想化ソフトウェア。ホストOSとしてx86/x64プロセッサ上で動作するWindowsおよびLinux、Mac OS X、Solarisをサポートする。
最新版では、「Performance」「Power」「Platforms」の3つにおいて多数の改善が行われている。Intelの「Core i5」「Core i7」「Xeon 5600」といった最新CPUに対応するほか、Large Page対応や仮想環境内のネットワークサブシステムの最適化、新しいストレージI/Oサブシステム実装などによりパフォーマンスの改善が行われている。また、Remote Display Protocol(RDP)経由での画面表示についても高速化が行われている。
最新のページ共有技術「Page Fusion」、仮想マシン間でメモリをやりとりする「Memory Ballooning」、SAS(Serial Attached SCSI)仮想コントローラ、「Gest Automation API」などが加わり、仮想マシン相互運用性標準のOVFも強化した。
また、本バージョンからは新たにゲストOSとしてMac OS Xのサポートが加えられた。ただし、ホストOSをApple製ハードウェアで実行している場合のみに限定される。そのほか「Oracle Enterprise Linux 5.5」や「Ubuntu 10.04 LTS」などもサポートする。
VirtualBoxはクローズドソース版とオープンソース版が用意されている。クローズドソース版は個人利用については無料、組織や企業向けのエンタープライズライセンスは50ドル/1ユーザーより。オープンソース版はGPL 2で提供され、RDPサーバー機能やUSBサポート等、一部の機能が利用できないとのこと。
米Oracle
http://www.oracle.com/
「Oracle VM VirtualBox 3.2.0」ダウンロード
http://www.virtualbox.org/wiki/Downloads