JITコンパイラにLLVMを使用するRuby互換実装「Rubinius 1.0」が登場

 Ruby実装の「Rubinius」を開発するEvan Phoenix氏は5月14日、「Rubinius 1.0」を公開した。ソースコードのほか、Mac OS X 10.5と10.6向けのバイナリインストーラーも用意されている。

 RubiniusはSmalltalk-80の概念や仮想マシン実装を参考にしたRuby実装。約3年半前にスタートしたプロジェクトで、生産性の高いプログラミング、スレッドセーフなどの開発目標を掲げている。コードの大部分はRubyで書かれており、JITコンパイラにLLVMを利用する。チームが開発したRubyとの互換性テスト「RubySpec」では93%を達成しているという。

 Ruby 1.8.7に対応、「Ruby on Rails 3」および「Ruby on Rails 2.3.5」、「Sinatra」などのRuby向けWeb開発フレームワーク、「sqlite3」「mysql」「nokogiri」などをサポートした。プロファイラの統合、正確でコンパクトなガベージコレクタ「Generational Garbage Collector」なども特徴としている。

 なおPhoenix氏は、ビルトインのデバッガー、ruby-debugが動かない点を警告している。デバッガーの修正は優先度の高い開発項目となっており、1.0リリース後に取り組むとのことだ。

Rubinius
http://rubini.us/