Merbとの統合が行われたWeb開発フレームワーク「Ruby on Rails 3.0」が登場
RubyベースのWeb開発フレームワーク「Ruby on Rails(RoR)」の作者、David Heinemeier Hansson氏は8月29日、最新版「Ruby on Rails 3.0」を公開した。2年以上の開発期間を経て完成したバージョンで、競合技術であった「Merb」が統合されている。
2年の開発期間中、1600人以上が開発に貢献したという。Ruby on Railsでは2008年に競合するWeb開発フレームワークであるMerbとの統合計画を発表、2年がかりでの作業を経て統合が完了した。これにより「さらにベターに、高速に、クリーンに、美しくなった」とHeinemeier Hansson氏は記している。
大きな新機能や改良点としては、Active Recordクエリエンジン「ARel query engine」の採用が挙げられる。これにより、スコープやクエリがより組み立てやすく一貫性のある形となり、繰り返しがあるような複雑なクエリがより容易に作成できるようになったという。また、クエリが実際に必要になるまでクエリの実行を遅延させる機構も取り入れられている。
また、Action Controllerのrouterについても改善された。Rails 2で組み込まれたRESTベースのアプローチがより強化され、シンタックスは完全なRESTスタイルとなった。Action MailerもよりAction Controllerに近い感じで利用できるように変更され、また依存性を管理する「Bundler」という機構も導入された。
このほか、CRSF(Cross Site Request Forgeries)によるクロスサイトスクリプティング(XSS)保護、Active Modelの改善なども特徴となる。
最新版ではRuby 1.8.7、Ruby 1.9.2、JRuby 1.5.2以上をサポート、Ruby on RailsのWebサイトより入手できる。
Ruby on Rails.org
http://rubyonrails.org/