日本IBM、最大32スレッドの並列処理が可能な「POWER7」発表

 日本IBMは2010年2月9日、POWERシリーズプロセッサの新製品「POWER7」を発表した。POWER6の約5倍の処理能力を持ち、消費電力も抑えた。あわせてPOWER7を搭載したミッドレンジのサーバ製品4モデルを発表した。2月19日から順次出荷開始する。

 POWER7は最大8コアで1コア当たり最大4スレッドを実現。POWER6の8倍にあたる最大32スレッドの並列処理に対応する。45nmプロセスルールで製造し、最大動作周波数は4.1GHz。消費電力あたりの処理能力はPOWER6の約4倍という。また、L3キャッシュをeDRAM(embedded DRAM)としてCPUに内蔵してアクセスを高速化した。

 実メモリーの最大10倍までを仮想的にアプリケーションへ配分する「Active Memory Expansion」機能を備え、処理能力がメモリー量に依存するアプリケーションの性能を向上。スレッドの数やキャッシュへのアクセスを制御して、複数の業務アプリケーションの並列処理や、データベース処理など多くのメモリーを必要とする業務で効率的に処理を行う。

 搭載サーバは、「IBM Power 780」「同770」「同755」「同750 Express」でいずれもラックマウント型4Uモデル。対応OSはAIX、IBM i、SUSE Linux。

 「Power 780」は最大64個のコアを搭載可能。「TurboCoreモード」と「MaxCoreモード」の2つの切り替えモードを備え、データベース処理など、コアあたりに高い処理能力や多くのメモリーなどが必要な業務では、半分のコアだけを稼働させ動作周波数を3.8GHzから4.1GHzに増強。一般のアプリケーションやサーバー統合による資源の最適利用が必要な業務では最大の32スレッドを活用する。最小構成価格(税別)は2788万8400円。

 「Power 770」は、中規模から大規模システム向けのビルディング・ブロック型モデルで、POWER7を最大で8個搭載できる。最小構成価格(同)は1291万8000円。「Power 755」はハイ・パフォーマンス・コンピューティング専用モデルで、論理性能は1台で844GFLOPS。最小構成価格(同)は1251万1500円。「Power 750 Express」は中規模ビジネス向けモデルで、パフォーマンス当たりの消費電力を従来モデルの約25%に抑えた。最小構成価格(同)は546万5100円。

日本IBM
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