SIベンダー6社、システムの「非機能要求」を“見える化”するツール群を公開

 NTTデータや富士通など国内SIベンダー6社は2009年5月26日、システム構築において発注者の「非機能要求」を“見える化”するツール群「非機能要求グレード」を公開した。発注者と受注者で非機能要求を段階的に確認し、利用目的に合うシステム基盤の構築を支援する。6月30日までパブリックコメントを募集し、2009年度下期に最終版を公開する予定。

 「非機能要求」とは、発注者が求める機能要求以外の要求を指し、システムの障害時の耐性や応答速度などの性能といった情報システムの強度や品質などについてのものをいう。システム構築の発注段階での確認が必要だが、目に見えないため、発注者と受注者の間で確認する手法が求められている。

 6社は、NTTデータ、富士通、NEC、日立製作所、三菱電機インフォメーションシステムズ、沖電気工業。2008年4月に「システム基盤の発注者要求を見える化する非機能要求グレード検討会」(非機能要求グレード検討会)を発足させ、各社の事例などからチェックリストにあたる「非機能要求項目一覧」を作成。同9月に公開している。

 今回公開した「非機能要求グレード」は、「グレード表」「項目一覧」「樹系図」「利用ガイド」で構成。重要な項目から順に扱えるように、段階的に詳細化しながら要求の確認を行うためのツール群とした。前回の「非機能要求項目一覧」に、利用シーンや利用目的に応じた実現の難易度を2~6段階で「レベル」として定義。要求の高低を選択できる。6分類245項目の非機能要求項目の全てにレベルを設定した。

 また「利用ガイド」では、具体的にシステムをイメージできるように3つのモデルシステムを用意。開発予定に最も近いシステム例を選択することで、「グレード表」から対応した要求レベルの設定例を取得。その設定例を参考に個別要求を調整し、さらに「項目一覧」や「樹系図」を使って、重要な項目から段階的に詳細化しながら非機能要求の確認を進めることができるという。

「非機能要求グレード」パブリックコメント募集ページ
http://www.nttdata.co.jp/nfr-grade/public.html

システム基盤の発注者要求を見える化する非機能要求グレード検討会
http://www.nttdata.co.jp/nfr-grade/

NTTデータ
http://www.nttdata.co.jp/

富士通
http://jp.fujitsu.com/

NEC
http://www.nec.co.jp/

日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/

三菱電機インフォメーションシステムズ
http://www.mdis.co.jp/

沖電気工業
http://www.oki.com/jp/