盛況を博した南米のFOSSイベント

 先週、アルゼンチンのブエノスアイレス、Belgrano大学で開催された第8回Jornadas Regionales de Software Libre (フリー・ソフトウェア地域セッション)は、約1,300人のFOSS愛好者が経験を分かち合い、学習を深め、愉快なひとときを過ごす良い機会となった。

 初心者や熟練ユーザ、システム管理者や開発者、すべての参加者が3日間にわたる140以上のセッションにおいて多彩なテーマについて学び、意見を交わした。また、コミュニティ団体や企業の出展スペースもあり、活動内容や商品の展示、説明、宣伝が行われた。

 アメリカ大陸のこちら側では最大規模のこの種のイベントであることから、アルゼンチンを始め南米諸国のあらゆる地域から参加者が駆け付けた。イベントはフリー(ビールが無料の意味での“フリー”)であり、参加者は事前に登録するだけで企画を楽しむことができた。

 南米出身の講演者のほかに、フリーソフトウェア界の“ビッグネーム”たちがはるばるブエノスアイレスを訪れた。Mozilla FoundationのChris Hoffman氏、Red HatのRik van Riel氏、Linux InternationalのJon “maddog” Hall氏、カーネル開発者のChristoph Hellwig氏、コンサルタントのDag Wieers氏、GoogleのMario Bonilla氏、Pythonコア開発者のRaymond Hettinger氏といった面々である。

 最も愉快な出来事は、基調講演の1つで起こった。予定ではCanonicalの創立者(その前は宇宙旅行者)のMark Shuttleworth氏が講演するはずだったが、来られなくなってしまったため、主催者がその空いた時間に別の企画を用意したのである。会議場の照明が落ち、スクリーンに惑星や太陽の映像が映し出され、『2001年宇宙の旅』の音楽が大音量で流れるなか、Hall氏が宇宙服に身を包んでステージに登場した。Shuttleworth氏が2040年からやってきた、というジョークである。Hall氏はヘルメットだけ外して(そうしないと声が聞こえない)、最後まで宇宙服を着たままレクチャーを展開した。

 大勢の参加者を、特にこれからフリーソフトウェアを知りたいと願う新しい人々を集めたことは、この地域でのFOSSの重要性をよく示す事実であり、FOSSの利用を広める機会がたくさんあることをコミュニティに教えてくれた。

 今年のイベントはCaFeLUG(Capital Federal Free Software Users Group)によって組織され、他の団体やスポンサー企業がこれに協力した。

 開催都市は年ごとに異なる。これまでにアルゼンチンの都市、Rosario、Cordoba、Mendoza、そしてウルグアイのMontevideoがホスト市となった。来年の第9回Jornadas Regionalesは、チリで開催される予定だ。

Arnaldo Ariel Arrietaはアルゼンチン在住のシステム管理者/Linux愛好者。

Linux.com 原文