Urban Terror FPSは今朝の新聞見出しほどにリアル

 この2年間、筆者はフリーのFPSソフトウェアをあれこれと試してきた。TremulousAlien ArenaNexuizなど、どれも最高のゲームだ。今回、このリストに Urban Terror を追加できることは実に喜ばしい。最初にあげた3つはSF的で、異星人の敵役を登場させるのに対し、Urban Terrorで対面する敵はあくまでもリアル、今朝の新聞見出しほどもリアルだ。アルジェリアのアルジェで、あるいはこの地球上のその他の場所で、テロリストと戦う。使う武器も現実のものだ。

 Urban Terror 4.1はクロスプラットフォームのフリーソフトウェアで、Mac、Windows、Linuxで動作する。開発と維持はFrozen Sand, LLCが行っている。以前の版では、Quake IIIのコピーがないとプレーできなかったが、現在は、フリーのioquake3エンジンの修正版で動作するようになっている。プレーするには、まずUrban TerrorのZIPファイルをダウンロードして、これを解凍する。Urban Terrorディレクトリが作成されるので、そこにある適切なバイナリファイルを実行する。

 使用ディストリビューションとX Windowの設定によって、ゲーム開始時に「Out of Range」問題が起こることがある。筆者も、Ubuntu 8.04上で制限付Nvidiaドライバを使い、1280×1024の解像度でプレーしようとして、この問題にぶつかった。筆者の回避策は、「デスクトップの解像度をいったん800×600に設定し、ゲームを開始する。開始後、Systemを1280×1024に設定し、ひとまずゲームを終了。デスクトップを通常の解像度に戻してから、再度ゲームを起動する」というものだが、Ubuntuフォーラムではほかの方法も話し合われているようだ。

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Urban Terror

 Urban Terrorのインタフェースはすっきりしていて、セットアップもプレーもしやすい。オープニング画面では、プレー、セットアップ、ゲームサーバの起動、保存デモの再生、退出を選択できる。オープニング画面からセットアップを選択すると、Controls、Player、Game Options、Systemの各種設定を調整できる。たとえば、Playerでは、プレーヤ名を決め、赤と青のチームプレーにおける性別と着衣を選択できる。Game Optionsには9つのサブメニューがあり、照準器の十字線のサイズ・種類・色から、ゲームプレーのフレーム数/秒の表示(または非表示)まで、あらゆることを設定できる。血・流血・傷口を見せるかどうかも指定できる。オンラインマニュアルがあって、あらゆるオプションについての詳細な説明が得られる。

いざ、ゲームへ

 公の場に姿を現す前にボット相手に練習したいと思うプレーヤも多かろうが、Urban Terrorにはそのためのローカルプレーモードがない。みなに笑われずに(あるいは殺されずに)移動・武器・地図の練習をしたい人は、非公開サーバを起動し、ここでやってみるといい。非公開サーバを起動すると、すぐにプレーヤとしてそこに参加できる。

 公衆の面前に出ても大丈夫という自信が湧いてきたら、Play Onlineをクリックする。サーバ選択画面が現れる。画面にサーバが1つも示されないときは、Get Listをクリックする。サーバリストが現れても、闇雲にどれかに飛びつくのは考えものだ。それがまだオンラインである保証はないし、たとえオンラインでも、最後にプレーしたときと同種のゲームが進行中である保証もない。まず、Refresh Listを選択しよう。

 このサーバリストには、ゲームソース(Local、Internet、LAN)かゲーム種のフィルタをかけることができる。満杯もしくは空っぽのサーバはリストから除くよう、インタフェースを変えることもできる。リストの並べ替えも自由自在で、表示されているどの列を基準にして並べ替えてもよい。参加したいサーバが見つかったら、Connectをクリックする。

 Urban Terrorには幾通りかのゲーム種がある。筆者のような新米なら、FFA(Free For All)を試してみるのがよかろう。FFAでは、誰が何回殺されようと誰も気にしない。チームゲームになると、チームメートから頼りにされる分、あまり下手では肩身が狭い。ゲーム種としては、ほかにTeam Deathmatch、Team Survivor、Follow the Leader、Capture and Hold、Capture the Flag、Bomb Modeなどがある。

 ゲームに参加して、まずすることは武器の選択だ。メインの武器として、アサルトライフル、グレネードランチャ、狙撃ライフル、マシンガン、サブマシンガンのいずれかを選択できる。90発連射のIMIネゲブ機関銃を選択した場合以外は、副武器としてショットガンかサブマシンガンも選択しよう。携行する小火器には、9ミリ口径のベレッタか、.50口径のデザートイーグルを選択できる。

 グレネードは、HE(高性能火薬)、スモーク、グレネードなしの3通りから選べる。HEかスモークを選んだときは、ケブラー防弾チョッキ、ケブラーヘルメット、サイレンサ、レーザ照準器、救急セット、タクティカルゴーグル、追加弾薬のうち、いずれか1つを選べる。グレネードなしを選んだときは、このリストから2つまで選べる。

 ゲームプレーのスピードは猛烈だ。初心者はたちまち(しかも何度も)殺されることを覚悟しておいたほうがよい。スキルがものをいう。FFAモードで死んでいられる時間は、普通、6秒しかなく、すぐに生き返って戦闘に戻る。

 Urban Terror Webサイトのディスカッションフォーラムは実に活発で、リーグ戦やトーナメントのニュースからゲーム開発の最新ニュースまで、ありとあらゆることが話し合われている。

 ゲームプレーよりサーバ運営に興味があるという人は、ネット上にUrban Terrorゲームサーバを立ち上げるとよい。簡単にできるが、もちろん、この「簡単」にはファイアウォールやルータの調整作業は含まれていない。それらデバイスの設定は自力でやってほしい。サーバを立ち上げるとき選択しなければならない重要事項は、サーバの公開オプション(No、LAN、Internet)、ゲーム種(FFA、Team Deathmatch、Team Survivor、Follow the Leader、Capture and Hold、Capture the Flag、Bomb Mode)、ゲームマップだ(Urban Terror 4.1には最初から20通りを超えるマップがついてくるし、コミュニティでも絶えず新しいマップが開発されている。参加したサーバ上で自分の持たないゲームマップが使用されているときは、まずそれをダウンロードしてからでないとプレーができない)。もちろん、これは主要項目であって、これだけでセットアップが完了するわけではない。ほかにも何十という項目があるので、上記オンラインマニュアルで確認してほしい。

 Urban TerrorはとてもすぐれたFPSゲームだ。Urban Terror Webサイトにあるとおり、テンポの速いアクションとリアリズムが理想的に結び合って、FPSプレーヤが追い求めていたゲームとなっている。強く推奨する。

Linux.com 原文