ゲームランキングのトップを狙うNexuiz

 昨年、Alian ArenaというFPS(ファースト・パーソン・シューティング)ゲームのレビュー翻訳記事)に、私がプレイしたフリーソフトウェアのゲームのなかで最高の出来だと書いたところ、一部の読者から反論をいただいた。 Nexuiz のほうが優れているとの声が少なからずあったのだが、そのときはまだプレイしたことがなかった。ここにきてNexuiz 2.4を試してみたところ、このフリーソフトウェアFPSがすっかり気に入ってしまった。

 Nexuizは、DarkPlacesというQuakeエンジンの改良版を利用して動作する。このエンジンの開発は、Nexuizの作者Lord Havoc氏によって数年前から断続的に続けられている。icculus.orgには、DarkPlaces向けのカスタムのOpenGL専用エンジンや、「WindowsのWGLとLinuxのGLXのサポートによってグラフィックおよび画質を大幅に向上した」ほかの改良版も手がけた、という彼の言葉が記されている。

ダウンロードとインストール

 Nexuizの最新版は、同プロジェクトのページから入手できる。GNU GPLの下でライセンスされており(バージョン2.0またはそれ以降)、Windows、Mac、Linuxの各プラットフォームで利用できる。tarballには、ソースコードとプラットフォーム別のバイナリが含まれている。Linux用の実行ファイルには686アーキテクチャ向けと64ビットアーキテクチャ向けがあり、それぞれのアーキテクチャにクライアントとサーバが2組ずつ用意されている。一方はSDL(Simple DirectMedia Layer)グラフィックライブラリを使ってビルドされたもの、他方はGLXを使ってビルドされたものだ。今回、Ubuntu 7.10上で686向けのSDL版とGLX版の両方をプレイしてみたが、違いはわからなかった。

 しかし、ローエンドマシンとハイエンドマシンではNexuizのプレイに大きな差が出た。最初、ひと昔前のAMD Athron CPUと1GBのメモリ、それにNVIDIA GeForce 5200ビデオカードを搭載したデスクトップマシンで試したが、ゲームの動きが遅く感じられた。そこで、2GBのメモリとグラフィック統合型チップセットGeForce 6100を備えたAcer製のデュアルコアAthronマシンに替えてみた。以後、先ほどのデスクトップマシンでNexuizをプレイすることはなくなった。

1人残らず敵を撃て

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シングルプレーヤアクション

 Nexuizの醍醐味はデスマッチ(自分以外の者をひたすら倒す)プレイにある。デスマッチモードはシングルプレイ(1人プレイ)のデフォルトだが、オンラインではほかのゲームモードも利用できる。あるいは、独自のシングルプレイ用ゲームを作成し、Team Death Match(チームデスマッチ)、Capture the Flag(旗の奪取)、Domination(占拠)、Rune(ルーンの収集)といった別のゲームモードを指定することも可能だ。各種モードの詳細は、「Nexuiz/Docs」ディレクトリの「gamemodes.txt」ファイルに記載されている。

 Nexuizには、できる限り多くの敵をすばやく、そして絶えず倒し続けるという目的を果たすべく、さまざまな武器が用意されている。Laser(レーザー銃)、Shotgun(散弾銃)、Machine Gun(機関銃)、Grenades(擲弾銃)、Electro(電子銃)、Crylink(拡散型速射式散弾銃)、Hagar(連射式擲弾銃)、Rockets(ロケットランチャ)から得物を選ぶことができる。どれを選んでも、映画『 No Country for Old Men (邦題:ノーカントリー)』をさらに過激にしたような光景が展開されることになる。

各種設定

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Nexuizのユーザインタフェース

 Nexuiz 2.4ではUI(ユーザインタフェース)が一新されている。その出来は、すばらしいの一言に尽きる。3つのペイン(「Singleplayer(シングルプレイ)」、「Settings(設定)」、「Multiplayer(マルチプレイ)」)の1つをクリックすると、UI表示が拡大され、そこでNexuizの環境設定の項目選択、変更、微調整が自在に行えるようになっている。

 オープニング画面で「Settings」をクリックすると、キーボードおよびマウス操作の入力オプションを設定できるスクロール式のインタフェースが現われる。デフォルトの操作方法が気に入らない場合は、ここで設定をカスタマイズできるわけだ。

 画面上部の整理されたメニューバーには、さらなるオプション群が「Video(ビデオ)」、「Effects(エフェクト)」、「Miscellaneous(その他)」に分けて用意されている。「Video」オプションに含まれるのは、画面の解像度、色深度、全画面/ウィンドウ表示、色設定といった通常の設定項目である。画面の一番下にある「Apply Immediately(すぐに適用)」バーをクリックすると、設定内容が反映される。

 「Effects」画面には、マクロレベルの画質設定といったまた別の設定項目が表示される。画質は「Low(低い)」、「Medium(中)」、「Normal(標準)」、「High(高い)」、「Ultra(非常に高い)」、「Ultimate(最高)」から選べる。いずれも各自の環境に合わせて設定されている。また、テクスチャの質、パーティクルの質、異方性(anisotropy)フィルタリングなど、個々の要素を選択して直接それらの値を指定することも可能だ。また、1秒あたりの描画フレーム数のオプションもこの画面内にある。

 「Miscellaneous」オプションには、デモ録画、速度計の表示/単位といった設定項目が含まれる。音楽、ゲーム効果音、背景音の音量など、各種の調節が行える。

マルチプレイヤーモード

 設定可能な要素は、先ほど説明した3つの領域以外にもある。たとえば、最初のオープニング画面で「Multiplayer(マルチプレイヤー)」モードを選択すると、「Player Setup(プレイヤー設定)」画面に入る。ここでは、プレイヤーの名前と容姿(男女合わせて20体から選択)の設定、視界や拡大縮小表示の倍率/速さの調節、デフォルトのネットワーク設定の変更が行える。

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Nexuiz Servers

 「Multiplayer」メニューバーには、「Player Setup」以外に「Servers(サーバ)」と「Create(作成)」という項目もある。「Servers」を選択すると、インターネット上で利用できるゲームの種類がわかる。デフォルトでは、サーバの一覧が(ping応答時間の短かったものから順に)「Servers」のUIに表示される。各エントリには、サーバ名、プレイ中のマップ、そのサーバでプレイできるプレイヤーと現在プレイ中のプレイヤーが記されている。エントリ表示のソートキーは「Host Name(ホスト名)」、「Map(マップ)」、「Players(プレイヤー)」の各カラムをクリックすることで変更でき、同じカラムを2度クリックすると表示の順序が逆転する。マルチプレイに参加するには、好きなサーバを選択したうえで「Join(参加)」バーをクリックする。実際に参加する前に、そのプレイに必要なすべてのマップがダウンロードされる。

 QuakeスタイルのFPSに慣れている人なら、すぐにでもプレイを始められるだろう。私のように不慣れなプレイヤーや、このジャンルのゲームは初めてという人は、まず参考になる情報に目を通したほうがいい。Nexuizに関しては、FAQ、ドキュメント、Wiki、フォーラムといった形でかなりの情報が参照できる。特に、irc.quake.netのIRCチャンネル#Nexuizの情報は親切で、ためになる。

 オーディオ、ビデオ、操作の各項目を好みの設定にしたら、シングルプレイモードをじっくりと楽しんでから、オンラインのマルチプレイを試すといいだろう。シングルプレイモードには21のレベルが用意されているが、1つずつクリアして腕を上げていく必要がある。ただし、コンソールで「g_campaign_index 20」と入力するような“ハッキング”を行えば話は別だ。この手を使うと、1人プレイモードのどのレベルからでもゲームを始めることができる。

まとめ

 今やNexuizは、少なくともファーストパーソン・シューティングのジャンルでは、私のお気に入りのフリーソフトウェアゲームになっている。見た目の美しさ、またはプレイのスピード感、あるいはその両方を楽しんでもらいたい。また、最新のNexuiz 2.4の場合は、応答性、使いやすさ、華やかさを兼ね備えたUIのおかげで、より一層ゲームのプレイに熱が入ることだろう。

Linux.com 原文