Smokin' Gunsで真昼の決闘

 Quake 3エンジンのソースコードが2005年夏に公開されてから、たくさんのMODやスピンオフ作品が世に出た。その1つSmokin’ Guns(旧称”Western Quake 3″)は、西部劇を題材としたスピンオフである。大型ライフルやリボルバー、悲しげなスチールギターの音色、銀行強盗、キザなセリフが特徴だ。このゲーム、見逃せない。

 ゲームのパッケージは、x86-32ビット版Arch Linux用(ArchLinuxユーザコミュニティリポジトリから私がビルドしたもの)とLinux Mint用がある。これ以外のディストリビューションでは、Valery Reznic氏がMagic Ermineを使って作成したSmokin’ Guns自己完結バイナリを使用できる。32ビットと64ビットの両方のx86アーキテクチャで動作するはずだ。

 動作しないようであれば、Arch Linuxパッチとビルドスクリプトを使ってソースからビルドできる。ソースとデータのtarballを公式ダウンロードページで入手しよう。

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絞首台の下で撃ち合い

「ハウディ、相棒!」─ ゲーム開始

 ゲームを開始すると、雰囲気たっぷりのBGM付きでメインメニューの画面に迎えられる。メニューは木製のテーブルの姿をしていて、その上に並ぶメニュー項目を選択できる。たとえば、2丁拳銃をクリックするとマルチプレイモードを開始できる。右上隅にあるオイルの瓶は、オプション画面に入るためのシンボルだ。

 この瓶をクリックして、オプションのパネルをざっと見渡してみよう。自分のシステム設定と好みに合う値になっているだろうか。少なくとも[Player]ペインで名前の設定をチェックし、[Controls]ペインでキーの割り当てを確認して、必要であれば調整する必要がある。

 設定が終わったら、Escキーを押してメインメニューに戻る。今度は1丁の拳銃をクリックしてシングルプレイモードに入ってみよう。左側のリストから”wq_dry”(Dry Gulch:死の谷)というマップを選択する。このマップは暗い場所や入り組んだ地形がほとんどないので、初心者にぴったりだ。画面右下隅の銃弾をクリックすると、ゲームが始まる。

 マップが読み込まれた後で、ランダムに選ばれた場所に立っていることに気が付く。近くに敵がいないことを祈ろう。もし敵の姿があれば、隠れる場所を探すか、手に持った銃で倒してみよう。マウスの左ボタンを押すと弾が出る。

 装備を確認してみよう。ゲームの開始時は、6連発Remington 58とナイフ1丁を持っている。武器を変更するには、数字キーの1~4を押してカテゴリーを選択する。同じ数字キーを繰り返し押すことで、同じカテゴリーに属する武器を切り替えることができる。マウスホイールを使って武器を切り替えることもできるはずだが、今回試したマシンでは機能しなかった。

 Bキーを押すと[Buy]メニューが表示される。マウスまたは数字キーを使って、項目間を移動できる。ゲーム開始時にいくらかの資金をもらえるので、何か買っておこう。たとえば、[Buy]メニューの[Equipment]セクションで硬い鉄板(Boiler Plate)を買っておけば、胸に当たる数発の弾を跳ね返せる。弾を食らったヒットポイントは戻せないので、この防御は重要だ。お金が惜しいなら、拳銃片手に走り回って、地面に何か落ちてないか探してみるのもいい。

 さて、練習のため敵を探そう。銃声や叫び声、足音に耳を傾ければ、すぐに敵の居場所がわかる。姿が見えたら、狙いをつけて撃つ。マウスの左ボタンを使う通常の銃撃では、狙いを定めるのにやや時間がかかるが、命中度は高い。接近戦では、右ボタンを使うと早撃ちができる。ただし、命中精度は落ちる。

 弾倉はすぐに空になる。そうなったら、身を隠し(かがむにはCキーを押す)、Rキーを押して弾を装てんしよう。銃によっては(たとえばRemingtonリボルバーがそうだが)弾倉を丸ごと抜いて交換するものと、1発ずつ込める(Peacemakerの大型リボルバーやショットガンなど)ものがある。装てん中も動くことはできるが、銃撃はできないので注意しなければならない。

空を飛び交う鉛の弾:武器編

 さて、以上で初心者ステージは通過だ。建物を物色して小銭を拾い集めるか、敵を倒して賞金を稼ごう。狙うのは頭か胴体。この部分はダメージが最大だ。

 6連発リボルバーをもう1丁見つけるか買うかして、2キーを繰り返し押すと2丁拳銃を構えることができる。右手と左手に拳銃が1丁ずつあり、マウスの右ボタンと左ボタンで撃ち分けるのだ。このとき、弾の装てんがちょっとややこしい。実際、ゲームのFAQに項目があるぐらいだ。Rキーを押しながらそれぞれのマウスボタンをクリックすると、そちら側の銃が装てんされる。

 この段階では、どの武器がベストの選択だろうか。おそらく6連発のSmith & Wessonを酒場の小競り合いに使い、Winchesterライフルを騎馬隊の迎撃に使うのがよいだろう。狭い空間で敵の徒党に立ち向かうには、火を点けた布切れを飲み口に差したウィスキー瓶(現代ではMolotov Cocktail、つまり火炎瓶と呼ばれるもの)を投げるのが効果的だ。

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砦から狙撃

 ダイナマイトと火炎瓶は、マウスの右ボタンで火を点け、左ボタンで投げる。手に持っている間も火はどんどん爆発物に迫っていくので、ぐずぐずせずに早く投げることだ。ダイナマイトは敵からの銃弾に当たっても瞬時に爆発する。

 Sharpsライフルとスコープを[Equipment]メニューから買って、Enterキーを使って装着すると、スナイパーになれる。照準をズームするにはマウスの右ボタンを使う。

 マニュアルのEquipmentセクションをチェックして、他のテクニックも身に付けておこう。特に、ナイフ、ガトリングガン、爆薬の説明はよく読む必要がある。

 どの武器を選ぶにせよ、西部劇のムードが損なわれることはないので安心だ。ありえない数の弾が弾倉に入っていることはなく、発砲の間隔もまっとうだ。また、銃声はかなり大きい。物足りないのは、動きの速さや姿勢、発砲の反動によって狙いが狂わされないことぐらいだ。

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おい、何か足に当たったぞ

決闘、銀行強盗、その他の冒険

 一般的なデスマッチ、チームデスマッチ、ラウンドチームプレイの各ゲームモードのほかに、銀行強盗(Bank Robbery)モードと決闘(Duel)モードなる2つのプレイモードもある。銀行強盗モードでは、チームが金庫を襲撃する側か守る側になってプレイする。銀行強盗のマップは名前が”br_”で始まり、決闘マップは”du_”、デスマッチマップは”wq_”で始まる。

 ラウンド形式のゲームモード(銀行強盗、決闘、ラウンドチームプレイ)では、ゲームのスタート地点で武器、装備、弾薬を買い増すことができる。デスマッチとチームデスマッチのモードでは、死んでもすぐに生き返り、いつでも武器などを購入できる。

 決闘モードについては説明を補足する必要がある。決闘マップは複数のエリアに分かれていて、各エリアが1組のプレイヤーの決闘の場となる。ゲームプレイはラウンド形式であり、各ラウンドにおいてプレイヤーは1対1で対戦が組まれ、各自のエリアを割り当てられる。

 決闘では拳銃のみを使用できる。銃を買えるのは、ラウンドの最初のオープニング場面だけだ。決闘が始まるや、照準の目安となる十字のマークが画面から消える。しばらくすると少しずつ見えてくるので、目のいいプレイヤーは機先を制するチャンスだ。

Smokin’ Guns、ここがすばらしい

 Smokin’ Gunsでは、武器、マップ、プレイヤーモデル、ボットの挑発、音楽、これらのすべてがゲームの圧倒的な臨場感に寄与している。近頃のたいていの市販ゲームが斬新な発想よりも高度なエフェクトに力を入れていることを思えば、Smokin’ Gunsはフリーソフトウェアにとって真の偉業といえよう。

 あえて注文をつけるなら、ボットがもっと利口になり、本当に銀行を襲うといいし、インターネットサーバでサポートできるプレイヤーの人数も増えるといいだろう。では、真昼のコヨーテ谷で皆さんをお待ちする。

Leslie P. Polzerは、動的Webサイトの開発を専門とするフリーランスのプロフェッショナルである。

Linux.com 原文