Alien Arena 6.10、FPSの最高峰

 COR Entertainmentは、10月12日、Alien Arena 2007バージョン6.10をリリースした。Alien Arenaはid SoftwareのQuake IIエンジン上に構築された3D一人称シューティング・ゲーム(FPS)で、2001年にGPLの下でリリースされた人気の高いフリーソフトウェアだ。このリリースでは、7つのアリーナを新設、武器を改良、ゲーム・モードに1対1の決闘を加えた。

 Alien Arenaはどのようなゲームだろうか。ゲーマーなら、Quake IIIあるいはUnreal Tournamentを想像してもらえば、さほど見当違いではない。一人称シューティング・ゲーム自体をご存じない方は、PC上のボットを1人で倒していくゲームで、血の海の中で果てしなく続く容赦ない闘争、殺すか殺されるかの大殺戮を想像してもらえばいいだろう。生きている標的を殺す趣味がある人にはネットワーク・サーバーを介するマルチプレーヤー・モードもある。

 Alien Arenaは3Dゲームのため、3Dアクセラレーターに対応しているハードウェアが必要だ。また、1GHz以上のプロセッサーと256MB以上のメモリーを搭載し、ディスクの空き容量は500MB以上なければならない。Windows版とLinux版があり、どちらもいろいろなサイトから入手可能だ。

サーバーを動かす
 Alien Arenaのサーバーを動かす場合は、メイン・スクリーンでHOST SERVERを選び、表示されるGUI画面で、サーバー名、マップ、ゲーム・モードなどのオプションを設定する。

 インストールはダウンロードしたファイルを展開するだけ。ファイルには実行形式とソースコードが含まれている。展開時に作られたサブディレクトリーalienarena2007に移動し、コマンドラインから./crxを入力するとクライアントが、./crdedを入力すると専用のサーバーが起動する。

 オーバーライン(~)キーを押すと、GUIの上半分にAlien Arenaのコンソールが表示される。ゲームのオプションはここで設定する。ほかに、他のプレーヤーと話したり、138種のコマンドを実行したりすることもできる。私がこのゲームを試用したときは、真っ先にこのコンソールでNAME WARTZILLAというコマンドを実行し名前を設定した。コンソールを閉じるときはEscキーを押す。

 自分のゲーム名を設定・変更するのもこのGUIからだ。下矢印キーを押してGAME OPTIONSを選択しEnterキーを2回押すと、Player Setup画面が表示される。ほかに、プレーヤー・モデル(11種のいずれか)、スキン(赤または青)、利き手(左または右)、インターネット接続速度、ダウンロード・オプションも設定できる。デフォルト状態でサーバーに接続すると、マップ、モデル、サウンドが自動的にダウンロードされる。

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Alien Arena 6.10

 プレイ・コントロールの設定を変更する場合は、変更したいコントロールを選択してからEnterキーを押し、その動作に対応させるキーまたはボタンを押す。対応がわからなくなっても心配する必要はない。ページの下端にあるオプションを使えば、すべてをデフォルト設定に戻すことができるからだ。

 ビデオ・オプションは、メイン・スクリーンからほぼ同様の操作で設定する。デフォルトは、解像度1024×768のフルスクリーン・モードだ。変更するときは、VIDEO OPTIONSを選択しEnterキーを押す。ほかに、輝度などのディスプレイ・オプションも設定できる。1秒当たりのフレーム数は、ゲームのパフォーマンスに影響する。なお、VIDEO OPTIONSの設定では、GAME OPTIONSとは異なり、変更後それを適用するという明示的な手順が必要だ。そうしないと、そこでの変更は失われる。

 設定を自分の好みに合わせたら準備は完了。SINGLE PLAYERモードで遊んでもいいし、JOIN SERVERを選んでマルチプレーヤー・ゲームをしてもいいし、専用のサーバーを起動してもいい。

 インターネットでマルチプレーヤー・ゲームをしたい場合でも、その前にまずSINGLE PLAYERで少なくとも1時間程度の経験を積むことをお勧めする。SINGLE PLAYERを選択し、Enterキーを押し、プレーのレベルを選ぶ。デフォルト・レベルはEASYだが、その名に反して決して簡単ではない。このレベルのボットでもプレーヤーを簡単に葬り去る力を持っている。

 SINGLE PLAYERモードの場合、いろいろなマップでプレーしてみたいものだ。そこで、リリース前にダウンロードしビルドしたSVNバージョンで数えてみたら43種のマップがあった。それぞれプレー・モード(Death Match、Capture the Flag、All Out Assaultなど)とアリーナ(Atlantis、Omega、Babelなど)との組み合わせに対応している。たとえば、Death Matchの場合は22種のマップがある。マップの設定はコンソールから行う。コマンドはMAP MAP-NAME

 最初の画面でJOIN SERVERを選択すると、ここに示した画面が表示される。ここで、現在アクティブなサーバーだけが表示されるように、REFRESH LISTを選んでEnterキーを押しておくといいだろう。表示されているサーバーのいずれかをクリックすると、そのサーバーとそこにいるプレーヤーの情報が表示される。利用したいサーバーを矢印キーで選択しEnterキーを押す。マルチプレーヤーの技術を磨きたい場合はUSA Beginner Teamがいいだろう。

 デフォルトのゲーム・モードはDeath Match、利己主義の世界だ。ルールは簡単、すべての人を殺して生き残ること。ほかに、Capture the Flag、All Out Assault、Deathball、Team Core Assault、そして新たに加わったDuelがある。

 Capture the Flagは敵軍の旗を奪って自陣地に持ち帰るゲーム。奪った旗が多い方が勝ちだ。All Out AssaultはDeath Matchと似ているが、車両に飛び乗って移動することができる。サーバーがDuelモードで動作している場合、同時にプレーできるのは2人だけで、その2人が決闘する。DeathballとTeam Core Assaultについては、まだプレーしたことがない。

 サーバーが団体戦で動作している場合、参加する際に所属するチームをサーバーに選ばせることも、赤軍と青軍のいずれかを指定することもできる。

 Alien Arenaにはフォーラムがたくさんある。わからないことは、まずフォーラムに同じ質問がないか調べ、あればその回答を参考にする。まだ質問されたことのない問題はフォーラムに投稿し、開発者や経験豊かな利用者に尋ねよう。

 Alien Arenaのダウンロード回数は、主開発者であるJohn Diamondによると、2年前のリリース以来500,000回を超えている。Windows版とLinux版があり、Linux版のダウンロードは10%程度とDiamondは推定しているが、ゲーム愛好者の約半数はLinux版を使っているという。

 昨年、私は「プレーしたゲームの中で最高のフリーFPSゲームはTremulousだ」と書いた翻訳記事)が、撤回したい。TremulousもAlien ArenaもフリーソフトウェアのQuakeエンジンを使っており、素晴らしいゲームだ。しかし、今、私のリストの一番上にあるのはAlien Arenaだ。

Linux.com 原文