Google、Androidアプリ開発キットをリリース――Eclipseプラグインで提供

 米国Googleは11月12日、「Android」で動作する携帯電話向けアプリケーションの開発キット(Android SDK)をリリースするとともに、同SDKで開発されたアプリケーションのうち「革新的で魅力的」と評価されたものに賞金(総額1,000万ドル)を贈ると発表した。

 Googleは先週、数カ月前からうわさされていた“Googleフォン”についてようやく口を開いた。同社は5日、携帯電話用のソフトウェア・プラットフォームであるAndroidと、その管理団体となるOHA(Open Handset Alliance)について公式に明らかにした(関連記事)。

 Androidは、Linux 2.6カーネルをベースにしたオープンソースの携帯電話向けアプリケーション・プラットフォームで、OSやミドルウェア・スタック、UI(ユーザー・インタフェース)セットなどの各種コンポーネントから構成される。また、アプリケーションのパフォーマンスを最大限に高める仮想マシン「Dalvik」のほか、電子メール・クライアントやSMS(Short Message Service)プログラム、カレンダー、Webブラウザ・エンジン「Webkit」など各種アプリケーションのコアセットを備える。

 Googleによると、完全なAndroidプラットフォームについては、Apache License Version 2の下で2008年から配布される予定だという。

 12日にリリースされたAndroid SDKは、APIライブラリや専用のデバッギング・ツールのほか、デバイス・エミュレータ、サンプル・プロジェクトを含んでいる。さらに、オープンソースの開発ツール「Eclipse」で使用できるようにするためのプラグインも用意されている。

 Android SDKが稼働するOSはWindows XP/Vista、Mac OS X 10.4.8以降、Linux(Ubuntu Dapper Drake)で、Eclipseプラグインを利用するのであれば、Java Development Toolを搭載したバージョン3.2以降のEclipseも必要だ。そのほか、Java 1.5/1.6対応のjavacコンパイラ、Apache Ant、Python 2.2なども用意しなければならない。

 Googleは12日、同SDKのリリースに加えて、「Android Developer Challenge」と呼ぶAndroid用アプリケーションの開発コンテストを開催することも明らかにした。同コンテストでは、優秀なアプリケーションの開発元に対し2万5,000~27万5,000ドル(総額1,000万ドル)の賞金が贈呈される。

 アプリケーションの応募期間は2008年1月2日から3月3日までで、機能強化を奨励するための賞金として、50件の開発プロジェクトに2万5,000ドルずつが提供される。その後、特に有望な10件のプロジェクトに27万5,000ドル、別の10件に10万ドルずつが贈られることになっている。

 受賞者の発表は2008年5月の予定で、2008年下半期にAndroidベースの携帯端末が出荷された後に、2回目のコンテストが実施されるという。

 Android SDKはGoogle Codeサイトからダウンロードすることができる。Android Developer Challengeに関する詳細な情報もサイトに掲載されている。さらにOHAにはブログと公式のディスカッション・フォーラムもあり、開発者が情報を共有できるようになっている。

(ホアン・カルロス・ペレス/IDG News Service マイアミ支局)

米国Google
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提供:Computerworld.jp