ITマネージャがAndroidに注意を払わなければならない5つの理由

 この1週間ずっとデータセンターに缶詰になっていたのでなければ、Googleの最新の事業のことは先刻ご承知だろう。Androidというオープンソースの携帯電話プラットフォームのことである。2年以上前にGoogleが謎めいた携帯電話ソフトウェア会社を買収したときには、Googleはそのうち携帯電話事業を始めるつもりだろうというのが大方の見方であった。憶測が熱狂に達したとき、Googleは携帯デバイスのオープンスタンダードを普及させたい旨を告知し、それを推進するためにAndroidを発表した。

 開発者たちは各自の玩具をGoogleの運動場に持って来るようにとの招待に飛びつくだろうが、IT部門は注意を払うことも忘れてはならない。その理由は5つある。

1) オープンソースコードが含まれているコンピュータソフトウェアを使用するのは、地雷原を抱えることになる可能性がある。AndroidコミュニティのChris Daviesは次のように語る。「AndroidはLinuxを採用して(結局は)SDKを利害関係のある団体に公開することで、次のような危険を冒すことになる。すなわち、被害妄想的な管理者が、マルウェアが生態系に容易に持ち込まれる可能性を危惧して、扉をピシャリと閉めてしまうというものだ」。それに対し、セキュリティを専門とするMcAfeeは心配することはないと言う。セキュアなソフトウェアのコーディングに関してオープンソース製品はすでに大いに成功を収めている、というのがその理由だ。

2) CIOたちはオープンソースのプラットフォームとAPIをカスタム携帯アプリケーションと同一視するだろう。InformationWeekのコラムニストのRichard Martinは次のように言っている。「Androidはオープンソースなので、企業は自社のニーズに合わせて自由に改変し、カスタマイズされた独自のアプリケーションを開発するだろう」。経営陣がカスタムアプリケーションを望むなら、IT部門は役目としてそうするだろう。

3) オープンソースに基づいた携帯デバイスは、BlackBerryやiPhoneといった同等の携帯電話機よりも低価格になるだろうから、IT部門はもともと乏しい予算の中に携帯電話機の勘定項目を無理やり押し込むはめになるかもしれない。Androidベースの電話機は少なくとも半年間は日の目を見るだろうが、そうだとしてもベンダ独自の電話機と同程度の価格にはなりそうもない。

4) BlackBerryユーザはハッピーな人たちで、iPhoneは電話機兼ビジネスデバイスだという話だが、背後にGoogleという巨人がいる携帯デバイスなら、RIMとAppleが夢見るような魅力を獲得するかもしれない。LinuxInsiderのRob Enderleは次のように言う。「現時点では、すべてのセグメントにわたってスマートフォンを所有しているベンダは1つもないし、スマートフォンというクラスは携帯電話販売全体の小さな部分にすぎない。この状況は変化するだろう。スマートフォン風のデバイスは多くのセグメントでPCに取って代わる見込みがあり、新たな市場で最初から優位を占めるプラットフォームになるかもしれない」。Enderleは、Googleの財力とハードウェアに依存しないビジネスモデルが不利に働くとは考えにくいとも指摘している。

5) 午後3時である。部下のプログラマたちがどこにいるかご存知だろうか。今週、Googleはソフトウェア開発キット(SDK)を初公開し、すばらしいAndroidアプリケーションに総額1千万ドルの賞金を与えると発表した。Googleは、このキットの開発ツールと電話エミュレータを使ってツールとアプリケーションを作成し、Googleに提出して審査を受けるよう、プログラマたちに勧めている。部下のITスタッフは、仕事をしているはずのこの時間に果たして何をしているのだろうか。

ITManagersJournal.com 原文