Microsoft、Viridian搭載の「Windows Server 2008」RC版を公開

 米国Microsoftは9月24日、「Longhorn Server」の開発コード名を持つ「Windows Server 2008」の最初のリリース候補版(RC0)を一般向けに 公開 した。同RCは、仮想化ハイパーバイザ「Viridian」(開発コード名)が搭載された初の先行リリース版となる。

 同RC版は、以前から初期ユーザーに提供されていたベータ3版に代わるもので、同社が開発中のViridianを含んでいる。ただし、同社のWindows Server部門上級技術製品マネジャーであるワード・ラルストン氏によれば、このViridianコンポーネントはベータ・レベルには達しておらず、 Windows Server 2008に含まれる他のコンポーネントよりも完成度が低いという。

 Microsoftは今年4月、同OS自体は基本的に「全機能搭載」版になると公言していた。だがラルストン氏は、VMware製品と競合するViridianは、Windows Server 2008が出荷される2008年第1四半期の時点ではまだベータ版を脱していないだろうと話している。

 Viridianの最終版は、Windows Server 2008のリリース後6カ月以内に完成する見込みだ。

 Microsoftの「Technology Adoption Program(TAP)」の下でWindows Server 2008ベータ版をテストしてきた企業ユーザーは、いくつか問題点はあるものの、全般的にきわめて優れた製品だと、同OSを高く評価している。

 英国オックスフォードに拠点を置く高級食品輸入会社、ウィンドラッシュ・フローズン・フードのIT管理者を務めるロビー・ロバーツ氏は、ここ2カ月の間、Microsoftの「SharePoint Server 2007」をベースにしたポータルとともにWindows Server 2008を実際に使用し、同社の版権管理サービスやプリント・サーバを運用してきた。

 25台のWindowsサーバをわずか2人で管理している同社にとって、自動化機能と使い勝手の良さは何より優先順位が高いと、ロバーツ氏は説明する。Windows Server 2008は、どちらの点でも合格点をつけられるそうだ。

 「(同OSが)一から設計し直されていたら、操作に慣れるのに膨大な時間がかかるところだった。Windows Server 2008のユーザー・インタフェースは、可能なかぎり従来と同じデザインとなっているのに加え、これまで以上に簡素化されている」(ロバーツ氏)

 Windows Server 2008を利用することで、ウィンドラッシュのドメイン・コントローラの数を減らせるといった細かなメリットも、同社のサーバのパフォーマンスを向上させるのに役立っているという。

 同OSに関しては、バグは問題にならなかったとロバーツ氏は述べている。「以前『Windows Server 2003』を導入したときは、山ほどトラブルに遭遇した。当初はWindows Server 2008でも同様に問題が多発するのではと危惧していたが、正真正銘、ただの1件もトラブルは起きなかった。Windows Server 2008よりも『Vista』のほうが、よっぽど扱いが難しい」

 同氏が直面したいちばんの難問は、「Excel Services」をはじめとするSharePointの各機能と新OSとをスムーズに連携させることだった。しかしこれも、結局はSharePoint側に問題があったことがわかったという。

 ウィンドラッシュは現在、VMwareの仮想化ソフトウェアを使用している。「VMware製品の機能やフォーマンスは非常に優れているが、個人的にはLinuxのコマンドラインよりもGUIを使うほうが性に合っている」とロバーツ氏。同氏はなるべく早い時期にViridianを試験的に導入しようと考えている。

 さらに同氏は、まだWindows Server 2008に対応していない「Office Communications Server」を除き、残りのMicrosoft製アプリケーションも早々に同サーバへ移行させたいと述べている。

(エリック・レイ/Computerworld オンライン米国版)

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提供:Computerworld.jp