VMware、仮想化スイート「Infrastructure」の新版を年内出荷へ――SMB向けのパッケージも同時期にリリース

 米国VMwareは10月8日、最新の仮想化ハイパーバイザ「ESX Server 3.5」を含む仮想化ソフトウェア・スイート「VMware Infrastructure」の新版を年内に出荷すると発表した。中小規模企業(SMB)向けのボリューム・ライセンス・パッケージも同時期に投入する。

 VMwareの発表によると、新しいInfrastructureには、仮想環境管理ツールの新バージョン「VirtualCenter 2.5」も含まれる。同社ではInfrastructure新版の出荷開始を年内としており、詳細な時期については明らかにしていない。

 Infrastructure 新版では、SATA(シリアルATA)ローカル・ストレージや10GB Ethernet、InfiniBandインタフェースに加え、CPUの負荷を減らすTCP Segmentオフロード、メモリ仮想化のためのネステッド・ページ・テーブル機能をサポート。準仮想化(paravirtualization)によるゲストOS(Linux)のパフォーマンス向上、64GBメモリ搭載の仮想マシンや128GBメモリ搭載の物理マシンへの対応なども盛り込まれている。

 また、Infrastructureに搭載されているStorage VMotion機能を使えば、マシンのメンテナンスやロード・バランシングを実施する間だけ、仮想マシンを別のデータ・ストアに移動させるといったことが可能になる。仮想マシンの構成作業についても、Guided Consolidationによって従来よりも容易になった。

 VMware Update ManagerはInfrastructureでの新規コンポーネントの1つで、セキュリティ・パッチやバグ修正プログラムの導入作業を支援する。すべての仮想マシンで機能し、電源が入っていなかったり、サスペンド状態になっていたりしても、自動アップデート/修正プロセスがそれに影響を受けることはない。

 そのほか、サーバ・リソースの電源をこまめにオフすることで電力消費量の削減に寄与するDistributed Power Managementも新たに搭載された。

 Infrastructure 新版には3つのエディションが用意される。従来はStarterと呼ばれていた「Infrastructure 3 Foundation」は最もベーシックなエディションで、ESX ServerやUpdate Manager、VirtualCenterのほか、ESX Server 3i(ハードウェア組み込み型のハイパーバイザ)やConsolidated Backup(バックアップ・ツール)などで構成され、価格は2CPU当たり995ドルだ。

 一方、ミッドレンジの「Infrastructure 3 Standard」は、Foundationをベースに可用性ソフトのHigh Availability(HA)を加えたエディションで、価格は2CPU当たり2,995ドル。ハイエンドの「同Enterprise」は、Standardの内容にStorage VMotionや分散リソース・スケジュール管理機能のDistributed Resource Scheduler(DRS)などが付加され、2CPU当たり5,750ドルとなっている。

 さらに、SMBをターゲットとする3種類のアクセラレーション・キットも年内出荷の予定だ。

 「Infrastructure 3 Foundation Acceleration Kit」は、上記Foundationエディションをベースとするアクセラレーション・キットで、2CPUライセンス・ノードが3本パッケージされており、価格は2,995ドル。同様に、Standardベースの「同Standard Acceleration Kit」(2CPUライセンス・ノードが2本)は5,995ドル、Enterpriseベースの「同Enterprise Acceleration Kit」(2CPUライセンス・ノードが3本)は1万4,495ドルとなっている。

(デニ・コナー/Network World オンライン米国版)

米国VMware
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提供:Computerworld.jp