Microsoft、Windows Vista SP1のベータ版をまもなくリリース――正式版のリリースは「2008年1Q中を目指す」と日程を断定せず

 米国Microsoftは8月29日、Windows Vista Service Pack(SP)1のベータ版を、数週間以内にリリースすることを明らかにした。Windows Vista SP 1のリリース日に関しては、うわさだけが先行していた。Microsoftが正式にリリースの日程を発表したのは、今回が初めてとなる。

 この事実は、同社の公式ブログで明らかにされた。なおWindows Vista SP 1正式版は、2008年第1四半期(1月-3月末)中のリリースを予定しているという。

 これまでWindows Vista SP 1正式版のリリースは、「Windows Server 2008」の発売(2008年2月27日)と同時だと見られていた。Windows Vistaチームのシニア・プロダクト・マネジャー、デビッド・ジプキン氏は、リリース時期を「2008年第1四半期中」としたことについて、「Windows Vista SP 1を万全なものにすることと、確実な情報を提供することのバランスを考慮した結果」と説明している。

 「リリース日を特定しても、あとから変更になれば顧客やパートナーに多大な迷惑をかける。それは避けなくてはならない」(ジプキン氏)

 多くの企業ユーザーにとって、「最初のSPがリリースされるまで、Microsoftの新製品は導入しない」というのは、定石となっている。今回の発表は、そんな企業ユーザーに配慮した格好と言えそうだ。

 Microsoftによると、Windows Vista SP 1は、すでに配布されている脆弱性の修正パッチ群と、パフォーマンスの向上を目的とした変更が中心で、新機能の大きな追加はないという。

 Windows Vista SP 1で注目されているのは、ユーザーが任意のデスクトップ検索ツールをインストールし、利用できるようになることだ。これはMicrosoftが米国Googleからの訴えに応じて行った変更である。

 Googleは2006年末、Windows Vistaのデスクトップ検索機能は、ユーザーにサード・ベンダー製の検索ソフトウェアを使用させない設計になっているとして司法省に告発書を提出、MicrosoftはWindows Vista SP 1で変更すると確約していた。

 また「Windows Security Center」の権限も大幅に変更される。現在、サード・ベンダー製のセキュリティ対策ソフトは、「Windows Security Center」で管理されている。Windows Vista SP 1ではWindows Security Centerとセキュリティ対策ソフトが分離され、セキュリティ対策ソフトはWindows Security Centerを介さずに動作するようになるという。

 さらにドライブ暗号化機能の「BitLocker」(EnterpriseおよびUltimate Editionのみに搭載)も変更される。現行バージョンではCドライブしか暗号化できないが、Windows Vista SP 1ではシステム内にある、どのドライブでも暗号化できるようになるという。

 ちなみにMicrosoftは、Windows Vista SP 1のダウンロード容量を1GB、インストールには7GBのディスク・スペースが必要になると説明している。

(ジョン・フォンタナ/Network World 米国版)

米国Microsoft
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提供:Computerworld.jp