Intel、ブレード・サーバ向け標準仕様を支持――開発コストの削減と中小規模企業の導入に期待

 米国Intelは7月30日、サーバの構成規格を策定する業界団体「Server System Infrastructure(SSI)」のフォーラムにおいて、ブレード・サーバ・プラットフォーム向けの標準仕様として、SSIが策定した「Modular Server Specifications」を採用する考えがあることを明らかにした。

 Modular Server Specificationsは、ブレード・サーバの設計ガイドラインを規定する仕様で、マザーボードのサイズや、搭載されるコネクタの種類などを定義している。サーバ・ベンダーが同仕様を採用することで、相互運用が可能な製品を開発したり、製品開発が簡略化できたりという利点がある。

 ブレード・サーバの設計仕様は、これまで存在していなかった。そのため、開発コストはかさみ、結果的にブレード・サーバが高価になってしまうため、ブレード・サーバを導入する主要ユーザーは、大規模企業やデータセンターに限定されていた。

 Modular Server Specifications仕様は現在ドラフト段階だが、Intelをはじめ、EMC、Microsoft、Lenovoなど、44社が支持を表明している。

 Intelのサーバ・プラットフォーム部門でブレード・マーケティング・ディレクターを務めるパトリック・ブッデンバウム氏は、電話インタビューに応じ、「Modular Server Specificationsは、マザーボードやシャーシ、電源などを実際に製造しているベンダーにとって、他社製品との統合が容易なプラットフォームを市場に投入する際の共通リファレンスとなる」とコメントした。

 またIntelのサーバ・プラットフォーム部門で副社長兼ゼネラル・マネジャーを務めるカーク・スカウゲン氏は、「ブレード・サーバは、サーバ市場で最も成長が期待されている分野である。しかし開発コストがあまりにも高く、1種類のブレード・サーバを開発するために、最高で1,200万ドルもかかっているのが現状だ」と指摘したうえで、「Modular Server Specificationsに準拠してブレード・サーバを開発すれば、特殊なコンポーネントは必要ない。サーバ・ベンダーは、市場に流通しているヒート・シンクやメモリ・モジュールなどの製品を使用することができるので、結果として開発コストや製品価格の引き下げを図ることができる」と語った。

 Intelは、「Modular Server Specificationsが策定されれば、中小規模企業がブレード・サーバを導入できるようになり、ブレード・サーバ製品を開発/製造するベンダーも増加するだろう」と期待している。

 なお、Modular Server Specifications仕様の最終版が策定されるのは、2008年になる見込みだ。

(サムナー・レモン/IDG News Service シンガポール支局)

米国Intel
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提供:Computerworld.jp