CMDBの業界団体、管理データ連携仕様のドラフト版を公開――CMDB-MDR間で管理データの検索/エクスポートを実現
CMDBfは昨年4月に発足した業界団体で、BMC Software、CA、HP、IBM、富士通、Microsoftの6社がメンバーとなっている。各社はこれまで独自のCMDBツールを開発してきたが、今回の仕様策定を機に、CMDB同士、および在庫管理ツールやヘルプデスク・ソフトウェアといったMDRとCMDBとの情報共有を実現すべく歩調を合わせていくと業界関係者は見ている。
ただし、同仕様をどの標準化団体に提出するかは現時点では未定だ。CAのシニア・テクノロジー・ストラテジストで、仕様の執筆に携わったマーヴィン・ワシュケ氏は、「仕様の提出先は、まだ決定していない。可能性のある組織は多数あり、候補を決めるのは時期尚早だ」と述べている。
CMDBfのWebサイトによると、公開暫定ドラフト版(バージョン0.95)は、SOAPやWSDL、XML Schema、Web Services Interoperability(WS-I)といったWebサービス標準を利用して管理データの連携を実現する。こうしたWebサービス技術により、例えばCMDBからMDRの管理データに検索(query)サービスを通じてアクセスできるようになるという。
この検索システムは、他のCMDBから管理データを抽出したいときにも利用できる。また、登録(registaration)サービスをCMDBに実装すれば、MDRから同CMDBにデータをエクスポートすることも可能だとしている。
同仕様により、管理データを単一の巨大なデータベースに保管する必要はなくなり、複数のリポジトリから管理データを収集できるようになる。管理データが複数のリポジトリに分散することに変わりはないが、中央データベースを導入すれば、特定項目に関連するデータの保管場所の情報を一元的に管理することも可能だ。業界ウォッチャーによると、こうしたシステムを利用することで、IT管理者が巨大なデータベースのメンテナンスに苦労することもなくなるという。
調査会社エンタープライズ・マネジメント・アソシエイツのバイスプレジデント、デニス・ドログセス氏は同仕様について、「異なるシステム間で管理データへのアクセスを可能にする、最も現実的で実用的な方法だ」と高く評価している。「2段階のプロセスにはなるが、この方法であれば、非常に難しいデータ自体の調整や一般化という作業が不要だ。標準化プロジェクトはまだ始まったばかりだが、よいスタートを切ったと思う」(同氏)
(デニス・ドゥビー/Network World オンライン米国版)
CMDB Federation
http://www.cmdbf.org/
提供:Computerworld.jp