クリエイティブ・コモンズ改訂に立ちはだかるGPLと同種の問題

CCL(クリエイティブ・コモンズ・ライセンス)は、現在GPL(GNU一般公衆利用許諾書)に次いでおそらく最もよく使用されているオープンソースライセンスだ。それにも関わらず、GPL 3.0の起草が広くメディアで取り上げられているのに対し、現在進行中のCCLの改訂はほとんどメディアに注目されていない。またそれら二つのライセンスの起草者たちも、互いに相談しながら起草を行なうというようなことはしていない。しかし実はCCL 3.0の優先事項にはGPL 3.0における優先事項と同種のものが少なくない。例えば、言い回しの明瞭化、用語の国際化、DRM(デジタル著作権管理システム)問題への対処などである。中でももっとも優先すべき共通の重要事項はと言えば、主な利害関係者の要求を満たすということに他ならない。つまり、ライセンスの詳細の議論と同じくらいに苦労が絶えないのが、有力な利害関係者からライセンスに対する支持/信用を取り付けるという部分というわけだ。

Eben Moglen氏との対談、GPL改訂およびSFLC現状(動画有り)

Eben Moglen氏は、コロンビア大学の法律史の教授、Free Software Foundationの法務顧問、Software Freedom Law Center(SFLC)の議長という、多彩な肩書きを有す人物である。先週私はLinuxWorld Conference & Expo in San Franciscoの会場においてMoglen氏と同席する機会を得ることができ、GNU General Public License version 3(GPLv3)の草案作成に関する最新情報、GPLの改訂に関する同氏の見解、およびSFLCの現状について質問を試みた。

「OSSコミュニティの仕事はソフトだけでは終わらない」──著作権研究の権威がLinuxイベントで強調:LinuxWorld San Francisco 2006リポート

 米国サンフランシスコで開催されている「LinuxWorld Conference & Expo San Francisco 2006」(8月14日〜17日)では、「コミュニティ」「著作権」「仮想化」などさまざまなテーマで、オープンソースにかかわる議論が繰り広げられている。スタンフォード大学法学部のローレンス・レッシング教授は8月15日の開幕基調講演で「オープンソース・コミュニティの仕事はOSとアプリケーションだけでは終わらない」とする見解を披露した。