アマチュア映画:作品をオープンソース化、加工を歓迎

 米国のウェブサイトデザイナーが3日(現地時間)、“オープンソース”の自作映画をインターネットで発表した。オープンソースのソフトウェアと同じ発想で、編集前の映像やBGM、台本を「ソース」として公開。第三者が加工して新しい作品を創造するのを歓迎している。

 映画をつくったのは、ソロモン・ロスマンさん(25歳)で、タイトルは「Boy Who Never Slept」(眠らなかった奴)。著作権を守りつつ自由な利用を認める「クリエイティブ・コモンズ」指定の作品として公開した。

 映画はストリーミング再生で鑑賞できるほか、ダウンロードして複製することも可能。完成品だけでなく、66本の編集前の映像も公開した。ただ、再利用の条件として「Attribution」(著作者の明示)、「Noncommercial」(非商用目的)、「Share Alike」(派生作品も同条件のクリエイティブ・コモンズとして配布)を義務付けた。

 主役の男と少女のオンライン交際がテーマで、社会派タッチの作品。自ら出演し、制作費は200ドルで仕上げた。4月末に予告編を公開したところ、1カ月半で20万回以上も閲覧され、手応えを感じているという。

 クリエイティブ・コモンズは、著作権を放棄しないが、なおかつ自由な利用を実現するために生み出された新しい概念。インターネット時代に適した考え方として、普及しつつある。【南 優人/Infostand】

Boy Who Never Slept
http://www.solomonrothman.com/boywhoneverslept/