JavaScriptフレームワーク「Vue.js 3」が公開

 JavaScriptフレームワーク「Vue.js」の開発チームは9月19日、最新のメジャーリリースとなる「Vue 3.0 “One Piece”」公開を発表した。TypeScriptでコンペティタを書き直し、大規模なアプリケーションで使うためのComposition API導入などの強化が加わっている。

 Vue.jsはUIやWebアプリケーションを構築するためのJavaScriptフレームワーク。ES5準拠のブラウザをサポートする。すぐに学習して差分的に適用できる”プログレッシブ・フレームワーク”コンセプトを掲げており、130万人の開発者が利用しているという。

 Vue.js 3.0は2016年に登場したVue.js 2.0に続くメジャーリリース。開発コードの”One Piece”は漫画「ONE PIECE(ワンピース)」にちなむ。約2年の開発期間の間に、99人の開発者から合計で2600以上のコミットがあったという。

 内部モジュールを書き換え、疎結合のモジュールの集まりにした。これにより、メンテナンス性を強化でき、実行されないコードを削除するツリーシェイクによりランライムの容量を小さくできるという。コンパイラ、コアランタイム、リアクティビティ(@vue/reactivity)モジュールなどが低レベルのAPIをエクスポーズすることで高度な使い方ができるとしている。

 性能を強化した。Vue 2と比較してバンドル容量が最大41%軽量になるなど小さくなり、メモリ使用量も最大54%削減された。初期レンダリングは最大55%、アップデートは最大133%高速になるとしている。

 バージョン2系で導入したオブジェクトベースのAPIに加えて、Composition APIを導入した。これまでのOption APIでは難しかった大規模アプリケーションで使う際に有用なAPIで、ロジックのコンポジションとReactのフックに似た再利用が可能という。バージョン2系ではプラグインとしてCompotision APIを利用できる。

 TypeScriptのサポートも改善し、TSXにフル対応した。コードベースをTypeScriptで作成し、型定義を自動的に生成、テスト、バンドルできるため常に最新の状態に保てるという。Composition API利用時に型推論を用いることができ、公式VSCode拡張の「Vetur」ではテンプレート表現などを利用できる。

 Vue.js 3.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはMIT License。

Vue.js
https://v3.vuejs.org