独SUSEがRancherを買収へ、コンテナ分野強化を図る
独SUSEと米Rancher Labsは7月8日、SUSEがRancherを買収することで合意したと発表した。買収金額などの詳細は非公開、SUSEは企業向けKubernetes管理技術を手に入れることになる。
Rancher Labsは、コンテナ運用管理技術を開発するために2014年に創業したオープンソース企業。主力製品はKubernetesクラスタ管理プラットフォーム「Rancher」で、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)認定を受けたKubernetesディストリビューション「Rancher Kubernetes Engine(RKE)」なども持つ。アクティブユーザーの数は3万7000人、ダウンロードは1億回を超えているという。
SUSEはRancherを獲得することで、AIを使った演算処理をあらゆるところで行い、コンテナ化されたワークロードをエッジからクラウドのコアまで実装できると説明している。Rancherの技術はインフラに依存しておらず、Google GKE、Amazon EKS、Microsoft AKSなどCNCF認定を受けたKubernetesディストリビューションをサポートする。
SUSEは独立系オープンソース企業としては最大規模であり、Rancherがオープンソースとして公開していた技術は買収後もそのままで、CNCF認定Kubernetesディストリビューションのサポートについても方針を継続するとしている。
買収完了後、Rancherの共同創業者兼CEO、Sheng Liang氏が合体したエンジニアリング・イノベーション組織を率いる。SUSEは2019年3月に独立企業として再出発しており、今回の買収により今後はオーガニックと買収の両方の成長戦略を敷く。
同社CEOのMelissa Di Donato氏は、クラウドネイティブ技術を含むオープンソースポートフォリオが完成するとし、「オープンソースのエンタープライズ向けLinux、エッジコンピューティング、AI企業とエンタープライズ向けKubernetes管理企業が合体して市場を崩壊し、顧客のデジタルトランスフォーメーションを加速する」とコメントしている。
独SUSE
https://www.suse.com/
米Rancher Labs
https://rancher.com/