SUSEが独立企業として再スタート、「最大級の独立したオープンソース企業」と強調

 Linuxディストリビューション「SUSE Enterprise Linux(SLES)」で知られるSUSEが3月15日(ドイツ時間)、完全な独立企業となったことを発表した。今後はドイツ・ニュルンベルクを本社としてopenSUSE、SLESといったプロジェクトを継続する。

 SUSEはドイツの3人の開発者が1992年に創始したLinuxプロジェクトを起源とする。1994年には最初のエンタープライズ向けLinuxディストリビューションを公開している。

 その歴史は複雑で、2003年に米Novellが買収、その後の2011年にはNovellが米国のソフトウェア企業Attachmateに買収されたことを受けてAttachmateの下に入る。2014年にAttachmateが米Micro Focusと合併したことで、直近まではMicro Focusの下で独立した企業として運営されてきた。2016年には、Micro Fucusを通じて、事業再編中のHewlett Packard Enterpriseよりソフトウェア資産を取得している。

 今回の独立は、スウェーデンのプライベートエクイティ企業であるEQTがMicro FocusよりSUSEを取得したことを受けてのもの。取引は2018年夏に発表され、今回独立企業への移行が完了した格好となった。

 独立企業への移行に伴いSUSEは経営陣を強化、CFO(最高財務責任者)、COO(最高執行責任者)の役職が新たに任命され、それぞれEnrica Angelone氏、Sander Huyts氏が就任した。これまでCTO(最高技術責任者)を務めたTHomas Di Giacomo氏はエンジニアリング、プロダクトおよびイノベーション担当プレジデントとして製品開発を率いる。2016年にCEOとなったNils Brauckmann氏は続投し、3人はBrauckmann氏にレポートする。

 折しも、Linuxディストリビューションで競合する米Red Hatは2018年秋に米IBMによる買収計画が発表されている。SUSEは自社を「最大の独立したオープンソース企業」としており、差別化を図る狙いだ。

SUSE
https://www.suse.com/