「Nextcloud Hub v19」が公開、パスワード不要のログインをサポート

 ドイツNextcloudは6月3日、オープンソースのコンテンツコラボレーション基盤「Nextcloud Hub v19」(開発コード「home office」)公開を発表した。パスワード不要のログイン機能が搭載されたほか、性能強化も行われている。

 Nextcloudはセキュリティ、プライバシー、管理機能を特徴とするコンテンツコラボレーションプラットフォーム。「ownCloud」からのフォークとして4年前にプロジェクトがスタートした。

 Nextcloudは1月に公開した18回目のリリースより「Nextcloud Hub」というブランドを展開している。オンラインファイルストレージの「Nextcloud Files」、音声/ビデオ会議やテキストチャットの「Nextcloud Talk」、カレンダーやメールの「Nextcloud Groupware」などで構成され、オンプレミスでホスティングするコンテンツコラボレーションプラットフォームとなる。

 最新版となるNextcloud Hub v19は、分散環境でのチームコラボレーションにフォーカスした機能開発を進めた。

 セキュリティ関連では、パスワード不要のログインを導入した。安全な認証のためのW3C(World Wide Web Consortium)標準であるWebAuthnを利用して実現されている。WebAuthnは米Microsoftの「Windows Hello」や主要ブラウザ、ハードウェア型のキーがサポートしている。ドイツNitrokeyとの協業によりハードウェアキーもサポートする。

 あわせて、リモートからのアクセスのセキュリティも強化し、自動ログアウト、パスワード再利用の制限、パスワードの有効期限設定、ログイン失敗時のアカウントロックなどの機能が加わった。

 Nextcloud Talkでは自動スケール機能、グリッドビューが加わり、ドラッグ&ドロップでのファイル共有も実現した。性能と拡張性も強化し、参加者の数に応じた品質の調整などが可能となった。ビデオ会議をしながらドキュメントに直接編集をするなどコラボレーション機能も強化した。

 性能も強化し、外部SFTPストレージの読み込みを最大5倍改善した。Amazon S3のfseek機能が使えるようになり、ファイル全体をダウンロードすることなく動画ファイルを再生できるようになった。NFSファイルの読み込みも高速になった。

 チームメンバーがタスクを書いたカードを貼るKanbanボードのアプリ「Deck」では、カレンダーとの統合を進め、ボードにあるToDoや締め切りと連携できるようにした。

 チーム外とのコラボレーションでは、ゲストアカウントの作成と管理が容易になった。

 このほか、たくさんの機能強化が図られている。

ドイツNextcloud
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