「Nextcloud 13」リリース、ビデオ会議機能などが加わる

 Nextcloudは2月6日、オープンソースのファイル共有サービス構築ソフトウェア「Nextcloud 13」を公開した。中核機能であるファイル同期・共有の強化に加え、ビデオ会議機能「Nextcloud Talk」の導入など、多数の機能が加わっている。

 NextcloudはDropboxのようなファイル共有サービスを構築できるオープンソースソフトウェア。ownCloudからフォークしたプロジェクトとして2016年に立ち上がった。クラウドではなく自分が管理するサーバーでデータを管理・制御しつつ、共有、コラボレーションができる。欧州の一般データ保護規制(GDPR)などの規制遵守も支援するとしている。

 Nextcloud 13は2017年5月に公開されたバージョン12に続く最新版。9か月の開発工期を経ての正式版リリースとなる。

 中核機能であるファイルの同期・共有では、ユーザーインターフェイス、セキュリティ、性能を強化した。ユーザーインターフェイスでは、ファイルの選択や追加、移動・複製などを容易に行うことができるようになった。高DPIサポートも改善し、ユーザーと管理メニューを1つのリストにまとめた。Webインターフェイスも強化し、アップロードできるファイルの上限を撤廃した。外部サイトとの統合も強化した。

 セキュリティでは、マルチキーの2ファクタ認証、ログインのIPアドレス範囲の設定、トークンベースのログインフローなどを導入した。クライアントでファイルを暗号化するエンドツーエンドの暗号化(End-to-end Encryption)も技術プレビューとして対応した。Android/iOS、デスクトップクライアント(Windows、Mac、Linux)で利用でき、今後数カ月で安定化を図るとしている。

 性能では、大規模なインスタンス、小規模なインスタンスの両方で高速化を図った。ホームユーザーはページの読み込み時間を最大50%改善でき、検索も高速になるという。サーバーサイドの暗号化の速度も大幅に改善した。LDAPの性能も80%改善し、プラグインアーキテクチャによりLDAPサーバーを管理できるようになった。

 これらに加えて、セルフホスティング形式で音声/動画またはテキストでやりとりできるコミュニケーションプラットフォーム「Nextcloud Talk」を導入した。オープンソースで、やりとりはエンドツーエンドで暗号化される。音声通話、チャット、プッシュ通知での非同期コミュニケーション機能を持ち、Nextcloud Filesから直接呼び出しできる。画面やノートの共有機能などもある。

 コラボレーションではこのほか、Nextcloud Calendarアプリを強化した。また、自動的に全ての添付ファイルをスマートフォルダに保存するよう設定できるFiles-from-Mailも加わっている。

 NextcloudはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Nextcloud
https://nextcloud.com/