オンラインストレージソフトウェア「Nextcloud 14」リリース、認証機能を強化

 オープンソースのオンラインストレージプラットフォームNextcloud開発チームは9月10日、最新のメジャーリリース「Nextcloud 14.0」を発表した。セキュリティ、コラボレーション、管理など様々な機能強化が加わっている。

 Nextcloudはオンラインストレージサービスを構築するためのソフトウェア。元々は「ownCloud」として開発されていたが、その後オリジナル開発者がownCloudからフォークしてプロジェクトを立ち上げた。クライアントはWindows、Linux、macOSのほか、モバイル(iOSとAndroid)にも対応する。ライセンスはAGPLv3。

 Nextcloud 14は2月に公開されたNextcloud 13に続く最新版で、セキュリティ、コラボレーション、プライバシーなどが開発の大きなフォーカスとなった。

 セキュリティでは、Video Verificationとして動画を使った認証を導入した。共有のためのパスワードを付与する前に、端末のカメラを使ってビデオで相手を認証するというもの。これにより、誤って家族のメンバーなど端末にアクセスできる人にデータが漏洩するのを防ぐことができるとしている。

 セキュリティではまた、2段階認証(2FA)を提供するgatewayを導入し、SMSゲートウェイに加えてメッセージサービス「Signal」「Telegram」を認証に用いることができるようになった。

 中核機能であるコラボレーションでは、ファイルのコメント機能に加えて、ノートをアタッチできるようになった。また、コメントの内容でファイルを検索できる機能も加わった。サイドバーに共有のオーバービューが表示されるようになったため、共有されたファイルを誤って削除しても、オーバービューから復旧できるようになった。

 動画チャットのTalkやグループウェアGroupwareも強化し、異なるブラウザのタブを利用することで複数のチャットに同時に参加できるようになったほか、カメラとマイクへのアクセスなしに参加できるようになった。

 プライバシーではGDPR(EU一般データ保護規制)などのプライバシー保護法への遵守を強化した。

 管理者向けには、サーバー管理を容易にする強化が加わった。ユーザー管理インターフェイスでは大規模なインストールやアップグレードを容易にできる容易なり、変更を通知する機能も加わった。systemdログへのロギング機能も加わった。

 開発者向けではPHP 7/7.1/7.2のサポートが加わり、7.3に向けた準備も進めているという。

 NextcloudはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Nextcloud
https://nextcloud.com/