Mozilla、新型コロナ対策の助成プログラムの受賞プロジェクトを発表

 Mozillaは5月6日、新型コロナウイルス感染症(「COVID-19」)対応のためのオープンソース技術を支援する「COVID-19 Solutions Fund」の対象となる最初のプロジェクト3つを発表した。オープンソースの人工呼吸器デザインプロジェクトおよび3Dプリントできるオープンソースのフェイスシールドの開発と配布を行なっているプロジェクト、刑務所向けのデータモデリングを行なっているプロジェクトの3つが選定された。

 COVID-19 Solutions Fundは、Mozillaが3月31日に発表した助成プログラム。Mozillaが以前からオープンソースプロジェクトを支援する目的で展開してきたMozilla Open Source Support Program(MOSS)の一部で、選ばれたプロジェクトには最大5万ドルの資金を提供する。Mozillaによると、COVID-19 Solutions Fund発表から2週間以内で、30の国から160以上の申請があったという。

 Mozillaが発表した受賞プロジェクトは、VentMon、Recidiviz、COVID-19 Supplies NYCの3つ。VentMonは米テキサス州のPublic Inventionのプロジェクトで、オープンソースの緊急用人工呼吸器を開発している。空気圧やフロー、換気量を測定するモニタリング機能や、また人命に関わる危機が発生したときにアラームを出す機能も持つ。Mozillaは今回VentMonに2万ドルを提供する。この資金は部品の購入などに充てるとしている。

 Recidivizは米サンフランシスコ州に拠点を置く非営利団体で、刑務所職員や政府が刑務所におけるCOVID-19の影響を予測するためのモデリングツールを開発している。データを利用して、刑務所内の感染速度を遅くするための対策を取ることができるという。多くの刑務所では物理的に距離を置くことが難しく、公開から48時間で47の州からダウンロードがあったという。Mozillaは5万ドルを授与する。

 COVID-19 Supplies NYCはフェイスシールドを3Dプリンタで作成し、ニューヨーク市の医療従事者に無償で提供する3DBrooklynのプロジェクト。フェイスシールドのデザインはオープンソースで公開しており、3Dプリンタがあれば作成できる。すでに、100以上の医療機関に8750以上のフェイスシールドを届けたという。ニューヨーク市は17万人以上のCOVID-19感染者が出ており、医療従事者の感染対策は重要な課題となっている。Mozillaは同プロジェクトに2万ドルを授与、これを利用してフェイスシールドの生産を増やすほか、リクエストを受け付けるデータベースのメンテナンスにも役立てるという。

 Mozillaは数週間以内に、COVID-19 Solutions Fundを授与する残りのプロジェクトを発表する予定だ。

VentMon
https://www.pubinv.org/project/ventilator-verification-project/

Recidiviz
https://www.recidiviz.org/covid

COVID-19 Supplies NYC
https://covidsupplies.nyc