Mozilla、オープンソース支援プログラム「Moss」で新たに5プロジェクトに36万ドルを投資
Mozillaは4月10日、フリー/オープンソースプロジェクト支援プログラム「Mozilla Open Source Support Program(MOSS)」の下で新たに36万5000ドルの資金を提供したことを発表した。新たに「SecureDrop」など5つのオープンソースプロジェクトを支援する。
MOSS(Mozilla Open Source Support Program)は、オープンソースおよびフリーソフトウェアに関するさまざまな活動を支援するプログラムで、Mozillaやインターネットの健全性に貢献するプロジェクトに資金を援助する。年間で300万ドル程度の予算をもち、四半期(3か月)ごとに支援対象プロジェクトを選定する。Mozillaの製品に貢献する「Foundational Technology(土台技術)」、Mozillaの目標と一致する「Missiona Partner(ミッションパートナー)」、オープンソースエコシステムの安全性を改善する「Secure Open Source(セキュアオープンソース)」という3つのカテゴリが選定対象。
今回の支援は、2016年10月に発表した2016年第3四半期(2016年7月~9月)の支援に続くもの。今回新たに支援対象となったSecureDropはオープンソースの匿名投稿システムで、Aaron Swartz氏がオリジナルのコードを作成した。30以上の報道機関が利用しており、非営利団体のFreedom of the Press Foundationがメンテナンスしている。Mozillaは今回、25万ドルをSecureDropに授与した。MOSSプログラムの下で授与する資金としては最高金額となり、SecureDropの次期版の開発に使われるという。
このほか、Rust向けの非同期インプット/アウトプットフレームワーク「Tokio」に5万ドル、安全な通信を全てのインターネットユーザーに提供する非営利団体「LEAP Encryption Access Project」に3万ドル、コンパイラ基盤「LLVM」に2万5000ドルをそれぞれ授与する。写真や画像のためのJPEG圧縮ライブラリ実装「libjpeg-turbo」にも1万ドルが授与される。
MozillaがFirefoxで採用しているAR/VRプラットフォーム「OSVR」プロジェクトとレンダリングパイプラインの改善で協業することも発表された。Mozillaが開発費用の半分を担い、残りをパートナー企業から募るように提案しているという。オープンソースのスペルチェックエンジン「Hunspell」とも、ソフトウェアの書き直しで協力することを明らかにしている。
また、Network Time Protocolのオープンソース実装「ntp」とそのフォーク「ntpsec」、HTTPライブラリ「curl」、認証ライブラリの「oauth2-server」、IMAPサーバー「dovecot」に対して監査を行ったことも報告された。
Foundational TechnologyとMission Partnersは、4月末まで支援対象の提案を受け付けるという。
MOSS(Mozilla Open Source Support Program)
https://www.mozilla.org/en-US/moss/