性能が強化された「Samba 4.12」が公開

 The Samba teamは3月3日、Windowsファイル共有などWindowsサービスのLinux/UNIX向け実装「Samba 4.12.0」を公開した。GnuTLS採用による性能の強化などが特徴となる。

 SambaはUNIX系OSに向けてWindowsとの相互運用に必要となるコンポーネントを提供するソフトウェア集。具体的には、SMB/CIFSプロトコルを使ったファイル共有やプリントサービス、Acrtive Directoryとの統合機能を提供する。

 Samba 4.12は2012年末に初の正式版が登場したSamba 4系の最新のリリース。暗号化関連では外部でメンテナンスされているライブラリへの移行を進めており、最新版では標準の暗号技術としてGnuTLSを採用した。バージョン4.12ではGnuTLS 3.4.7が必要となる。また、今後Heimdalに実装したMD4ハッシュ以外では独自の暗号化実装を使用しないとしている。これによって性能強化が期待できるとのことで、CIFSカーネルクライアント/Linux 5.3でのテストでは、書き込みの速度が3倍、読み込みは2.5倍高速になったと報告している。

 samba-toolも強化し、samba-tool group addmemersでコンタクトをグループのメンバーとして追加できるようになった。フィルタリングも強化した。

 Sambaのビルドでデータ圧縮のzlibライブラリが必須となった。また、Pythonの最少用件がPython 3.5からとなった。

 VFSも強化し、io_uringインフラを使うためのモジュールが加わり、MS-DFSリダイレクト関連も強化した。

 Samba 4.12はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Samba
https://www.samba.org/