「Samba 4.5」リリース、VLVサポートの強化などが行われる

 Samba開発チームは9月7日、LinuxとUNIX向けのWindows相互運用性スイートの最新安定版「Samba 4.5.0」を公開した。LDAPディレクトリのページング機能「Virtual List View(VLV)」のサポートなどの機能強化が加わっている。

 SambaはWindowsとUNIX/Linuxとの相互運用性を提供するソフトウェア集。Windowsファイル共有で使われるSMB/CIFSプロトコルや、アカウント管理で使われるActive Directroyのフリー実装などが含まれている。ライセンスはGPLv3。

 Samba 4.5は、013年に公開されたSamba 4.0系の最新版。3月に公開したバージョン4.4に続くリリースとなる。本バージョンでは新たにVirtual List View(VLV)をサポートした。これにより、LDAPにおいてディレクトリ全体をダウンロードせずに必要な情報へのアクセスが可能となる。

 Active Directoryのドメインコントローラ向けDRS Replicationも強化され、1000人以上のグループメンバーがいる大規模ドメインでも効率よく属性を処理できるようになった。ツリーの名称変更の処理、スキーマアップデートなどでも信頼性を強化した。LDAPデータベースレイヤでの性能強化も行われている。

 また、ドメインコントローラにおいてTombstone(破棄状態)からオリジナルのSIDとGUIDのある状態で復旧できる「Reanimation」をサポートした。パスワード品質をチェックするプラグインもサポートされている。

 各種メンテナンスや管理作業のための「Samba-tool」も強化し、動かしたいサブコマンド固有のコードのみを読み込むことでコマンドライン上での動作がより軽快になった。SmartCard/PKINITも強化されたほか、CTDB(TDBデータベースのクラスタ実装)でも多数の強化が加わっている。shadow_copy2ではオプションとして「shadow:snapprefix」と「shadow:delimiter」が新たに導入された。

 SMB 2.1のリース機能がデフォルトで有効となり、ファイルサーバーではPOSIXロックに代わってOpen File Description(OFD)ロックを利用するようになった。さまざまなパスワードフィールドへのアクセスと同期のための「samba-tool user getpassword」および「samba-tool user syncpasswords」コマンドも加わっている。

 なお、最新版ではNTLMv1認証がデフォルトで無効になっている。「ntlm auth」オプションがデフォルトでyesからnoになっているためで、デフォルトではNTLMSSP経由でNTLMv2のみが利用できる。

Samba
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