「Firefox 72」リリース、フィンガープリントによる追跡のブロック機能がデフォルトで有効に
Mozillaは1月7日、オープンソースのWebブラウザ最新版となる「Firefox 72.0」を公開した。ユーザー追跡などに使われる「フィンガープリント」の遮断機能がデフォルトとなったほか、Picture-in-Picture機能がLinuxとMacでも利用できるようになるなど、機能強化が行われている。
Firefox 72は2019年12月に公開されたバージョン71に続く最新版で、2020年最初のリリースとなる。
継続的に取り組んでいるユーザー追跡対策として、新たに「フィンガープリント」のブロック機能がデフォルトで有効となった。フィンガープリントはJavaScriptで取得できるOSやWebブラウザ、端末のハードウェア情報を使ってWebブラウザの追跡を行うもので、Cookieがブロックされている環境でもユーザーのWeb閲覧履歴を追跡できるとされている。
通知を受け取るかどうかを尋ねるポップアップについては、ブラウジング体験を損なわないようにアドレスバーに吹き出しアイコンで知らせるようになった。アイコンをクリックすると通知のリクエストを見ることができる。
Webページ内に埋め込まれた動画をポップアップ画面で表示する「Picture-in-Picture」機能がmacOSおよびLinuxでも利用できるようになった。この機能はWindows版ではFirefox 71で導入されていた。
開発者向けツール(DevTool)ではWatchpoints、WebSocketsインスペクタ、リソースダウンロード時間などが強化された。CSS Shadow PartsとCSS Motion Pathなども新たにサポートした。
Mozillaは同日、Android版(バージョン68.4.0)も公開した。Android版はセキュリティ修正が中心となっている。
なお、Mozillaは2019年秋にリリースサイクルを短縮する方針を明らかにしている。それまでは6~8週間でメジャーリリースを公開していたのが、新しい方針では4週間おきになった。Firefox 72は新しいリリースサイクルに基づいて開発・公開された最初のリリースとなる。