「Firefox 69」リリース、デフォルトでCookieによるトラッキング防止が有効に

 Mozillaは9月3日、Webブラウザ「Firefox 69」を公開した。「Enhanced Tracking Protection」がデフォルトで有効になるなど、セキュリティおよびプライバシーを強化したリリースとなっている。

 Firefox 69は、7月に公開したバージョン68に続く最新版。Windows、macOS、Linux向けデスクトップ版およびモバイル端末向けのAndroid/iOS版が公開されている。

 サードパーティが追跡目的に使用するCookieと仮想通貨のマイニング(クリプトマイニング)を遮断する「Enhanced Tracking Protection(ETP)」機能ががデフォルトでオンになった。ETPは2018年10月に公開されたバージョン63で導入した機能で、Webブラウザ上でWebサイトをまたいだ行動を追跡してユーザーのプロフィールを作成する追跡行為をブロックできる。ブロックのために使用するブラックリストはMozillaが提携する米Disconnectが提供する。ETPは6月リリースのバージョン67では新規ユーザーのみ有効となっていたが、現在20%以上のFirefoxユーザーがETPを使っているという。本バージョンではAndroid版を含む全ユーザー向けに有効となり、100%のユーザーの保護を目指す。

 このほか、音声付きメディアの自動再生をブロックする「Block Autoplay」を強化し、音声付きだけではなく、あらゆる動画に対して自動再生を許可しないように設定できるようになった。Flashプラグインでは「常にアクティブにする」オプションが削除された。

 Windows版では、顔や指紋を使って認証する「Windows Hello」のWeb Authentication HmacSecret拡張をサポートした(Windows 10 May 2019以降のユーザー対象)。また、Windows 10向けではパフォーマンスとUIも強化し、コンテンツの処理優先度のレベルを設定するヒントを提示したり、タスクバーのショートカットから起動できるようになった。

 macOS向けでは、MacBook Proなどのデュアルグラフィックカードを搭載したマシンで低消費電力のGPUに切り替えるなどのバッテリー持続時間を改善する機能が加わった。またFinderでダウンロードの進捗を表示するようになった。

 ARM64でのJITサポートが実現し、JavaScript Optimizing JITコンパイラの性能を強化した。WebRTCでは複数の動画コーデックを受け取ることができるようになり、様々なクライアントの動画をミックスして動画会議ができるようになった。

 Firefox 69はプロジェクトのWebサイトより入手できる。Androidはバージョン68.1、iOSはバージョン19となり、それぞれのストアより入手できる。

デスクトップ版(Windows、macOS、Linux)Firefox
https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/

Firefox for Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=org.mozilla.firefox&referrer=utm_source%3Dmozilla%26utm_medium%3DReferral%26utm_campaign%3Dmozilla-org

Firefox for iOS
https://apps.apple.com/us/app/firefox-private-safe-browser/id989804926?ct=mozorg-releasenotes_page-appstore-button