Kubernetes向けパッケージ管理ツール「Helm 3.0」リリース

 Helm Teamは11月13日、Kubernetes向けパッケージ管理ツール「Helm 3.0.0」を公開した。

 Helmはコンテナクラスタ構築管理ツールのKubernetesで構築したクラスタ上にアプリケーションをデプロイするためのツール。「Charts」と呼ばれる設定ファイルを使用し、複雑な構成のアプリケーションの定義、インストール、アップデートといった作業を支援できる。Cloud Native Computing Foundation(CNCF)のプロジェクトとして開発が進められており、米Google、米Microsoftなどの支援を受けている。

 Helm 3.0は2016年11月に公開されたHelm 2.0に続く最新のメジャーリリース。内部の実装が大きく変更されており、その一部としてリリース管理ツールである「Tiller」が削除された。これによりHelmはKubernetesのセキュリティ機能を利用することになり、セキュリティモデルを簡素化するという。

 Helm 2では安定扱いのChartリポジトリがデフォルトで含まれていたが、バージョン3ではデフォルトで含まれるChartsリポジトリはなくなった。公式には安定したChartリポジトリをメンテナンスしないという方針変更に基づくものと説明している。

 ChartsファイルのapiVersionが「v2」に更新された。使われていない機能の削除などが行われ、よりコンパクトな記述が可能になっているという。また、複数のメタデータファイル上にある情報をhart.yamlで収集するようになった。Helm 2との後方互換性については、ほとんどの場合で問題ないとしている。

 Docker DistributionなどのOCIレジストリでのHelm Chartsの保存を実験的にサポートした。また、ほかのCharts向けのリソースとして使われるライブラリChartsもサポートした。

 Helm Go SDKもリファクタリングを行い、一般が使用できるようにした。コードの再利用や共有をGoコミュニティと行うことができるようにすることが目的としている。

 Helm 3.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Helm
https://helm.sh/