「Git 2.24」公開、複数の新機能が導入される

 分散バージョン管理システム「Git」の開発を主導するJunio C Hamano(濱野純)氏は11月4日、最新版となる「Git 2.24.0」のリリースを発表した。コミットグラフがデフォルトで有効になるなどの機能強化のほか、行動規範も採用した。

 Git 2.24.0は8月に公開されたGit 2.23に続く最新版となる。2.23のリリース以来、合計78人が開発に参加し、544件のコミットがあったと言う。

 コミットグラフ(commit-graph)がデフォルトで有効になった。commit-graphはコミット読み込み時にパフォーマンスの改善が図れるもので、これまでオプトインとして提供されていた機能。

 また、Gitが備える複数の機能に影響するような挙動の変更を定義できる「feature」マクロが導入された。featureマクロは「git config」コマンドやリポジトリ内のconfigファイルなどで設定できるもので、現時点では「feature.experimental」や「feature.manyFiles」が定義されている。

 リポジトリ履歴のリライトのためのツールとしてgit-filter-repoを導入した。git-filter-branchに代わって推奨となるツールで、安全性、速度の面で改善が図れるとしている。

 コマンドライン補完機能の強化や、コマンドラインパーサーでオプション終了を指示する「–-end-of-options」オプションのサポートも行われた。

 Windowsでは、UNC共有のルートレベルを他のディレクトリと同じように使えるようになった。

 これら機能強化に加えて、最新版よりCode-of-conduct(行動規範)として「Contributor Covenant(コントリビューター行動規範)」を採用した。コミュニティのやりとりなど行動についてある程度のルールを設けるものとなる。

Git
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