「Git 2.23」リリース、「git switch」や「git restore」コマンドを実験的に導入

 分散バージョン管理システム「Git」の開発を主導するJunio C Hamano(濱野純)氏は8月16日、最新の安定版となる「Git 2.23」を公開した。「git checkout」に代わる新しいコマンド「git switch」と「git restore」が導入されている。

 Git 2.23は6月に公開されたGit 2.22に続く最新版。新規に参加した26人を含む合計77人から貢献があり、500以上の変更が加わっている。

 大きな変更点として、「git checkout」に代わる新しいコマンドとして、「git switch」と「git restore」が実験的に加わったことが挙げられる。git checkoutコマンドは作業ブランチの切り替えや指定したコミット時のファイルを取り出す作業を行うものだが、前者をgit switchコマンド、後者をgit restoreコマンドに分割した。これによりコマンド名が明確に作業内容を示すようになるという。

 また、「git merge」コマンドで「–quit」オプションが加わった。「–abort」オプションと同様に動作するが、作業中のツリーとインデックスをそのままに、進行中のマージをクリーンアップできるオプションとなる。

 「git clone」コマンドの「–recurse-submodules」オプションや「git status」コマンドなども強化し、「git fetch」コマンドおよび「git pull」コマンドではフェッチした結果によってレポートする機能が加わった。「git multi-pack-index」コマンドではexpireとrepackが加わり、現在のブランチの上にコミットからの変更を適用するgit cherry-pickも強化した。

 このほか、多数の細かな強化が加わっている。性能も強化したほか、Windows 7対応も強化した。

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