Keras統合を強化した「TensorFlow 2.0」が公開
GoogleのTensorFlow開発チームは10月1日、オープンソースの機械学習ライブラリ「TensorFlow 2.0」の公開を発表した。Kerasとの統合を強化したほか、Eager Executionのデフォルト対応などによってPythonとの親和性を改善した。
TensorFlowはオープンソースの機械学習ライブラリ。JavaScript向けのTensorFlo.js、モバイルやIoT向けのTensorFlow Lite、大規模な実装向けのTensorFlow Extendedなどを提供し、機械学習向けの包括的なプラットフォームを目指す。
TensorFlow 2.0は、2017年に公開されたバージョン1.0に続く最新のメジャーリリースとなる。
機械学習アプリケーションの開発を容易にすることにフォーカスし、Pythonで実装されたディープラーニングAPIであるKerasの統合強化や、モデルを事前構築せずに処理を実行できるEager Executionのデフォルトでの有効化などが行われた。これによってモデル構築が容易になり、Python開発者はより直感的に利用できるようになるという。
低レベルのAPIも強化し、研究者向けの機能強化も加わった。
モデル実装では、「SavedModel」形式ファイルフォーマットを標準とし、さまざまななランタイム上で利用できるようにした。TensorFlowでモデルを動かし、TensorFlow Servingでデプロイし、TensorFlow Liteでモバイルや組み込みシステムで使い、TensorFlow.jsでNode.jsやWebブラウザでトレーニングしたり動かすことができるという。
GPU上での性能の強化も加わった。コードを数行加えるだけで利用可能になったほか、GPUを使ったトレーニングの性能は最大3倍高速になるという。また、推論エンジンのTensorRTと密に統合し、新たに改善したAPIを使うことで、Google Cloud上でのNvidia T4 Cloud GPU上の推論の性能も改善するとしている。
このほかにも多数の細かな機能強化が加わっている。
TensorFlow
https://www.tensorflow.org/