Googleが「TensorFlow 1.5」を公開

 Googleは1月26日、オープンソースの機械学習向け数値演算ライブラリ「TensorFlow 1.5」を公開した。

 TensorFlowは強化学習やニューラルネットワーク、深層学習などで使われる数値演算処理を実装したライブラリ。主にPythonからの利用が想定されているが、C++やJava、Goなどの言語からの利用するためのライブラリも実験的に提供されている。

 TensorFlow 1.5は2017年2月に公開したバージョン1系の最新版で、同年11月にリリースされたバージョン1.4に続くものとなる。新たに動的に計算グラフを生成する「Eager Execution for TensorFlow」がプレビューとして加わった。TensorFlowでは事前に実行する計算内容を「計算グラフ」として定義しておく必要があり、データ処理中に計算内容を動的に変更することが難しかったが、Eager Executionを利用することでPythonの数値演算ライブラリである「NumPy」のように命令的なプログラミングスタイルが可能になる。

 また、2017年11月に開発者向けプレビューを公開していた「TensorFlow Lite」が加わった。TensorFlow Liteはモバイルや組み込みデバイス向けの軽量版で、トレーニングしたモデルをtflite形式ファイルに変換してモバイル端末などで実行できるという。1.5に加わったTensorFlow Liteのステータスは開発者向けプレビューのままとなる。

 WindowsまたはLinux上のGPU Accelerationで、NVIDIAのCompute Unified Device Architecture(CUDA) 9とCUDA Deep Neural Network Library(cuDNN) 7のサポートが組み込まれた。CUDAはGPUアクセラレートアプリケーション向けソフトウェアプラットフォームで、cuDNNはCUDAを強化した深層学習向けライブラリ。

 このほか、計算最適化のためのドメイン固有コンパイラAccelerated Linear Algebra(XLA)、RunConfigの強化など細かな機能強化が加わっている。

TensorFlow
https://www.tensorflow.org/