「Swift 5.1」リリース、「モジュール安定化」が実現

 米Appleのプログラミング言語「Swift」開発チームは9月20日、最新安定版となる「Swift 5.1」を公開した。モジュール安定化などが特徴となる。

 Swift 5.1は、3月に公開されたバージョン5系の最初のポイントリリースとなる。Swift 4とソース互換があり、Swift 4.2およびSwift 4/4.1と互換モードをサポートする。

 今回のリリースで最も注力されたのはモジュールの安定化(Module Stability)機能。コンパイル時におけるSwiftバージョンの差異を解消するもので、テキストベースでモジュールインターフェイスを定義する仕組みが用意された。これを利用することで、作成したバイナリフレームワークの動作を将来のバージョンのSwiftでも保証できるようになる。

 標準ライブラリでは、コレクションの差分処理やアップデート処理が改善されたほか、連続した文字列の作成・処理といった文字列に関する作業を容易にするためのAPIも導入した。Vectorの拡張/縮小など、SIMD型を使った作業を改善するAPIも加わった。

 言語およびコンパイラでは、プロパティのカスタムアクセスパターンを定義するためのシンタックス(プロパティラッパー)が導入された。また、「Opaque Result Types」としてAPIの内部実装詳細を隠した状態の戻り値を導入した。このほかにも多数の細かな機能強化が加わった。

 SwiftSyntaxも新しくなり、Swiftコンパイラから直接パーサーを利用するように再構築した。これにより性能の改善が図れるとしている。

 Swift 5.1はAppleの開発環境「Xcode 11」に含まれるほか、Ubuntu 18.04/16.04/14.04向けにバイナリも公開されている。ソースコードはプロジェクトのページより入手できる。

Swift
https://swift.org/