米Appleが「Swift 5」を発表、ABI安定化が導入される

 米Appleのプログラミング言語「Swift」開発チームは3月25日、最新版となる「Swift 5」を発表した。ABI安定化などが特徴となる。

 SwiftはAppleが2014年に発表したプログラミング言語。強い静的型付けなどの特徴を持ち、Objective-CやCとの互換性もある。macOS、Linuxなどで利用でき、macOSやiOSといったAppleのOSで動くアプリケーション開発などに利用できる。

 Swift 5は2017年9月に公開されたバージョン4に続く最新のメジャーリリース。Swift 4/4.1/4.2とソース互換性があり、Xcode 10.2ではSwift 5にマイグレーションできるツールを提供する。

 ABI安定化が導入された。これによって、今後はバージョンの異なるSwiftで実装・ビルドされたバイナリを安全に組み合わせられるようになる。これにあわせてAppleのmacOSやiOS、tvOS、watchOS上でSwiftランタイムが標準で提供されるようになった。これによって開発するアプリのサイズを小さくできるほか、ビルドも簡単になるという。

 標準ライブラリでも新機能が加わった。StringクラスはUTF-8エンコードで再実装し、多くの場合で高速になったという。文字列リテラルにおけるプレインテキストのサポートを強化した。ResultとSIMDが加わり、DictionaryとSetの性能も強化した。

 デバッグとリリースビルドの両方でメモリへの独占的なアクセスがデフォルトで有効となった。動的な呼び出し可能な型をサポート、Python、JavaScript、Rubyといった動的言語との互換性を改善するという。

 パッケージマネージャも新しくなり、依存性モニタリング、ターゲット固有のビルド設定、カスタム実装ターゲットなどの機能が加わったほか、コードカバレージデータの生成もサポートする。また、swift runコマンドも強化し、REPLのライブラリを実行ファイルの構築なしにインポートできるようになった。

 Swift 5はSwiftのWebサイトより入手できる。

Swift
https://swift.org/