分散SQLデータベース「CockroachDB」、「as a Service」としての提供を制限するライセンスに変更

 分散SQLデータベース「CockroachDB」を開発する米Cockroach Labsは6月4日、ライセンスをApache License 2からBusiness Source License(BSL) 1.1に変更することを発表した。クラウド事業者が同ソフトウェアを使った商用クラウドサービスを提供するのを阻止することが目的のようだ。

 CockroachDBはクラウドネイティブの分散型SQLデータベースで、拡張性、障害への耐性を特徴とする。2017年に初の正式版を公開している。

 ライセンス変更の理由として、「統合されたプロバイダが自社のユニークなポジションを活用して、オープンソース製品の「as a Service」版を構築し、統合の結果として優れた体験を提供している」と説明している。

 新たに採用されたライセンスでは、ユーザーは無制限にCockroachDBを動かしたりアプリケーションに組み込むことができるが、ライセンスの購入なしにCockroachDB自体をクラウド型商用サービスとして提供することはできないという。BSLはMariaDBが考案したライセンスで、OSI創始者Bruce Perens氏も支持しているという。

 この制限は期限付きで、各リリースの3年後にライセンスはApache License 2に切り替わる。これにより、コア製品がオープンソースになることを保証しつつ競争力のあるクラウド型サービスを構築できると説明している。

 BSLはCockroachDBのコアエディションに適用、これにより「CockroachDBコアはOSIのオープンソースの定義に基づくとオープンソースではなくなる」という。一方でソースコードの入手は可能で、これを「as a Service」として提供する以外の商用サービスに利用することもできると説明している。

Cockroach Labs
https://www.cockroachlabs.com/