米Redis LabsがRedisモジュールのライセンスを再変更、独自のRedis Source Available License(RSAL)へ

 オープンソースのインメモリデータストア「Redis」を開発する米Redis Labsは2月21日、Redisのアドオンモジュールで採用するライセンスを再変更したことを発表した。新しいライセンスは「Redis Source Available License(RSAL)」となる。

 Redis Labsは2018年8月、パブリッククラウド事業者がオープンソース技術に貢献することなくマネージドサービスを提供しているとして、「Redis Modules」とするアドオンの一部のライセンスをAGPLから「Commons Clause」で修正したApache License 2.0に変更していた。

 今回、前回の変更後に寄せられたフィードバックや、Apache License 2.0のみに縛られるという誤解が生まれたこと、Common Clauseの「サポート」に関する制限がRedis Modulesのエコシステム成長を阻止するなどの教訓を経ての変更となる。

 今回採用されたRedis Source Available License(RSAL)は、Redis Labsが独自に作成したライセンス。Apache Licenseなど再配布にあたっての要件が最小限のパーミッシブなものと同等の権利を付与し、コードを閲覧し、修正し、アプリケーションに統合できるが、データベース、キャッシュエンジン、ストリーム処理エンジン、検索エンジン、インデックスエンジンまたはML(機械学習)/DL(深層学習)/AI(人工知能)サービスエンジンへの統合は禁ずる。

 対象となるアドオンモジュールは、「RediSearch」「RedisGraph」「RedisJSON」「RedisBloom」「RedisML」など。

 なお、初回の変更同様にRedisコアのライセンスはこれまで通り3条項BSDライセンスを採用する。

 Redis Labsの共同創業者兼CTOのYiftach Shoolman氏は、最初のライセンス変更について「混乱を招き、Redisコアがプロプライエタリになったと間違った認識もあった」と認めながら、その後もほかのオープンソースプロジェクトと同じようにRedis Modulesプロジェクトを管理してきたこと、多くのコミュニティが変更を受け入れたことなどを報告している。

 同時に、MongoDBなどが追随してライセンスを変更したことに触れ、「クラウドプロバイダが、他の人が開発したオープンソースプロジェクトの成功を乗っ取り、プロプライエタリサービスにパッケージして、市場における力を使って膨大な売上を上げていることを阻止したい」という共通の目的を持っていると触れた。「このところ一部のクラウドプロバイダがオープンソースベンダーとの協業についての考え方を変えつつあると感じる」として、今後の関係の変化に期待を寄せていることを示唆した。

 Redis Labsは数日前、シリーズEの投資ラウンドとして投資企業より6000万ドルを調達したことを発表している。

米Redis Labs
https://redislabs.com/