「TypeScript 3.5」リリース、性能の強化などが行われる

 TypeScript開発チームは5月29日、JavaScriptを拡張したプログラミング言語「TypeScript 3.5」を公開した。性能の改善などが特徴となる。

 TypeScriptはJavaScriptをベースに静的型付けなどの機能を追加したプログラミング言語。作成したコードはJavaScriptにコンパイルしてWebブラウザやNode.jsなどの各種JavaScriptランタイムなどで実行できる。米Microsoftが開発し、MIT Licenseで公開している。

 TypeScript 3.5は4月に公開したバージョン3.4に続く最新版。型チェックやインクリメンタルビルドを高速化した。型チェックではバージョン3.4で入ってしまったバグにより性能が劣化していたが、一部のコードパスの最適化と一部機能の簡素化により3.3よりも高速になったという。コンパイル時間だけでなく、ほかの処理も高速になったという。

 3.4で導入した「–incremental」オプションも強化した。キャッシュ関連の最適化などを図ることで、「–build」モードでTypeScriptのプロジェクト参照を使う数百ものプロジェクトが動く状況で、再ビルドに要する時間が3.4と比較して68%に圧縮されたという。

 このほか、プロパティを省略するOmitヘルパー型をlib.d.tsに導入した。オブジェクトリテラルのexcess property checkingの強化、UMD(Universal Module Definition)ライブラリを参照する「–allowUmdGlobalAccess」の導入などの機能も加わっている。

 TypeScript 3.5はTypeScript 3.5はVisual Studio 2019/2017、Visual Studio Code、それにSublime Textなどで利用できる。NuGetまたはnpmを使ってインストールできる。

TypeScript
https://www.typescriptlang.org/