「TypeScript 3.4」リリース、ビルド高速化のための「--incremental」フラグを導入
米MicrosoftのTypeScript開発チームは3月29日、「TypeScript 3.4」を公開した。ビルド時間高速化のための強化などが加わっている。
TypeScriptはJavaScriptをベースにさまざまな機能を追加したプログラミング言語。TypeScriptで実装したコードはJavaScriptコードに変換(コンパイル)でき、ECMAScript 3以上をサポートする任意のブラウザやJavaScriptエンジン、Node.jsで実行できる。Microsoftが開発し、オープンソースで公開している。
TypeScript 3.4は、2月末に公開されたバージョン3.3に続く最新版。ビルド時間高速化の取り組みとして、前回コンパイルされた時のプロジェクトグラフの変更情報を保存し、次回のコンパイル時にその情報を基にもっとも高速な方法で型チェックを行いコンパイルする「–incremental」フラグを導入した。
推論関連では、他のジェネリック関数からの推論型に関する関数が強化されるなどの改善が加わった。読み込みのみの配列を表現するReadonlyArray型では、新しいreadonly修飾子を使うシンタックスを導入した。また、readonlyタプルをサポート、配列のショートハンドシンタックスを使うような感覚で、readonlyキーワードで任意のタプルの接頭辞を付けることができるとしている。
constアサーションも導入した。JavaScriptのプロパティが変更可能であるという特性から、TypeScriptは変更可能な変数やプロパティの宣言で値の幅を広げるが、constアサーションを使うことで型の定義を広げないようにできる。オブジェクトリテラルはreadonlyプロパティとなり、配列リテラルはreadonlyタプルとなる。
このほか、多数の細かな機能強化やバグの修正が加わっている。
TypeScript
https://www.typescriptlang.org/