「QT for Python 5.12」リリース

 The Qt Companyは12月18日、QtのPythonバインディング「Qt for Python 5.12」を公開した。テクノロジープレビューを脱し、正式扱いとなった。

 Qt for Pythonは、PythonアプリケーションでQt APIを利用するためのPythonバインディング。Python開発者はこれを利用してQtベースのUIを構築できる。対応OSはWindowsおよびmacOS、Linux。

 Qt for Python 5.12は6月に初の公式リリースとして登場したQt for Python 5.11に続くリリース。Python 2.7および3.5以上をサポートする。なお、Qtは10月に公開された「Qt 5.12 LTS」を土台とするが、Qt for Pythonは特定のQtバージョンと紐づいているため長期サポートは提供されない。

 Qt for Python 5.12は、ほとんどのQt APIをPython向けにラップしたモジュールである「PySide2」と、Qt独自のC++ライブラリをPython向けにラップした「Shiboken2」で構成される。

 Qt For Python 5.11はテクノロジープレビュー(TP)扱いだったのに対し、PySide2はTPではなくなった。これによって今後の互換性が保証され、Qt for Python 5.12を使ったコードは今後のリリースでも同様に動作するようになる。ただし、Shibokenはまだ引き続きTP扱いとなる。

 今後の計画として、PySide2アプリケーションの開発の簡素化、他のPythonモジュールとのやり取りの改善、組み込みやモバイルなど他のプラットフォームのサポートなどにフォーカスするとしている。具体的なステップは1月に決めるとしている。

 Qt For Python 5.12はpipなどのパッケージマネージャ経由でインストールできる。

Qt for Python
https://www.qt.io/qt-for-python