「Kubernetes 1.12」リリース

 コンテナクラスタ管理ツールのKubernetes開発チームは9月27日、最新安定版となる「Kubernetes 1.12」公開を発表した。セキュリティ関連の強化などが特徴となる。

Kubernetes 1.12は、6月に公開されたバージョン1.11に続く最新安定版。2018年に入ってから3回目のリリースとなり、セキュリティ、可用性などにフォーカスした機能強化が図られている。

 Kubelet TLS Bootstrapが一般提供(GA)扱いとなり、クラスタ運用担当がKubenetes制御プレーンコンポーネントとKubelet向けにTLS資産を管理できるようになった。これにより、クラスタへのノードの追加と削除がスムーズに行えるようになるという。これに合わせて、Kubelet APIサーバー向けの鍵と証明書のローテーション機能もベータに移行した。

 Azure Virtual Machine Scale Sets(VMSS)のサポートも安定扱いとなった。異機種混在の仮想マシンプールを構築・管理できるもので、設定されたスケジュールまたは需要に合わせて増減できる。複数の仮想マシンの管理、拡張、負荷分散作業を簡素化できるという。

 クラスタにストレージを提供するフレームワークCSI(Container Storage Interface)のサポートを強化した。トポロジー対応がベータ扱いとなり、ステートフルワークロードがストレージリソースの場所をコンセプト的に認識できるという。

 ストレージ関連では、永続的ボリュームスナップショットの実装がアルファ機能として加わった。任意のCSIストレージでバックアップされる特定のポイントのスナップショットを作成・復旧できる。

 コンテナランタイムプロパティを制御プレーンに表示させるRuntimeClassがアルファとして加わった。PodSpecのruntimeClassフィールドによりDockerなど特定のコンテナランタイムを選択、設定できるという。

 このほかにも多数の機能がアルファからベータに移行している。Kubernetes 1.12はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Kubernetes
https://kubernetes.io/