「Kubernetes 1.11」リリース
6月27日、コンテナクラスタ構築・管理ツール「Kubernetes 1.11」がリリースされた。2018年2回目の公開となり、ネットワークやストレージ関連機能などが強化されている。
Kubernetes 1.11は3月末に公開されたバージョン1.10に続く最新版。目玉機能として、IPVSベースのインクラスタサービス負荷分散とCoreDNSの2つの機能が安定扱いとなった。
IPVS(IP Virtual Server)はLinuxカーネル内に実装した伝送レイヤの負荷分散機能で、iptablesと比較して高性能、シンプルなプログラミングインターフェイスなどの特徴を持つという。これによりネットワークスループット、プログラミングの遅延、クラスタ全体の分散ロードバランサの拡張性などを改善できるとしている。IPVSはまだデフォルトではないが、運用環境におけるトラフィックで利用できるとしている。
また、Goで実装されたDNSサーバー「CoreDNS」が、従来使われていた「KubeDNS」に変わって導入された。Kubernetesのデプロイツール「kubeadm」ではデフォルトのDNSサーバーとしてCoreDNSをデプロイできる。単一の実行ファイル、単一のプロセスで動作するといった特徴を持つ。
各ノード上で動くノード管理エージェント「Kubelet」では、APIサーバー経由で設定を変更できるようになった。
このところ強化のフォーカスとなっているストレージ分野でも多数の強化が加わった。新しい機能として、永続化ボリューム(PV)のライブでのリサイズ機能をサポートした(アルファ扱い)。また、ツリー内のボリュームプラグインが、ノードにアタッチできる最大のボリューム数を指定できる動的な最大のボリュームカウントもサポートした(アルファ扱い)。
そのほか、1.10でベータ導入したStorageObjectInUseProtectionが安定扱いとなった。Persistent Volume Claim(PodからPVをマウントする手法)に結びついたPV、それにPodが使うPersistent Volume Claimの両方で、削除を防ぐことができるという。
Kubernetes
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