セキュリティや性能の強化が行われた「Nextcloud 11」リリース

 オープンソースのファイル同期・共有ソフトウェアを開発する独Nextcloudは12月13日、最新のメジャーリリース版となる「Nextcloud 11」を公開した。セキュリティにフォーカスした機能強化が加わり、ユーザーがデータを管理できる最も安全性の高いソリューションになったという。

 Nextcloudは、オープンソースのオンラインストレージソフトウェアを開発しているownCloudプロジェクトからフォークされたプロジェクト。ownCloudのコアメンバーによって2016年6月に立ち上げられた。Nextcloudは8月にバージョン10が公開されている。

 Nextcloud 11はそれに続くものとなり、コアだけで1200近くのプルリクエストをマージするなど、コミュニティが活性化しており開発が活発に進んでいるとしている。

 本リリースではセキュリティ関連の機能開発が中心となっており、Webブラウザのセキュリティ機能「Content Security Policy(CSP)」および「Same-site Cookies」の両仕様をサポートした。Kerberos認証もサポートされたほか、Universal 2nd Factor(U2F)とTime-based one-Time Password(TOTP)の基準に基づいて提供される2ファクタ認証プロバイダを利用できるようになった。

 また、総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)の保護をすべてのAPIアクセスポイントに拡大し、SSL/TLSを利用しフェデレーションの安全性も強化した。また、アプリストアでは署名が必須になり、自動的にアプリをチェックするという。

 それ以外の強化点として、まず各種処理の高速化が計られている。拡張性を強化するためデータベースの読み込みを最大80%削減し、よくあるサーバーオペレーションでのレスポンス時間を最大60%高速にした。複数のバケットを利用できるObject Store、プレビュー処理の改善なども加わった。

 全文検索サービスも導入した。Apache Solrをベースとしたもので、ユーザーは単語や文章などをキーワードにして、内部、外部、共有、暗号化の各ストレージ内にあるテキスト、PDF、オフィスドキュメントなどを検索できる。

 これらに加えて、Webカンファレンスシステムの「Spreed」を技術プレビューとして統合した。カメラを使った動画会議を最大6人で利用できるもので、Nextcloudサーバー上のコンタクトのほか、パブリックリンクによりコンタクト外の人を招待できるという。

 Nextcloud 11はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

独Nextcloud
https://nextcloud.com/