Googleが「Dart 2.0」を一般公開、モバイルとWeb開発にフォーカス

 Googleのプログラミグ言語「Dart」の開発チームは8月8日、最新のメジャーリリースとなる「Dart 2.0.0」を公開した。モバイルとWeb開発向けのプログラミング言語として「復活」を図る。

 Dartは汎用目的のプログラミング言語。高い生産性、速度、移植性などを特徴とする。JavaScriptの代替を目指して開発がスタートしたもので、Dartで記述したコードはJavaScriptに変換して実行したり、独自の仮想マシン(Dart VM)上で実行できる。分かりやすいシンタックス、パワフルなツールにより、C++、C#、Javaを知っている開発者は数日でDartを使うことができるという。

 Dart 2.0は2013年に公開されたバージョン1系に続くメジャーリリースとなる。Dartの発表は2011年だが、普及が進まずGoogle社内でも標準のプログラミング言語に採用されていない。Dart 2.0の構想については2月に発表されており、「言語を再起動する」として、「クライアントサイドでのWebとモバイル向け開発に最適化した言語」と新しいビジョンを打ち出していた。一般公開にあたっては、「2.0公開はDartがモバイルとWeb開発のメインストリームのプログラミング言語としての復活を示すもの」と記している。

 Dart 1系から言語、ライブラリ、ビルドシステム、Web開発ツールで変化が加わった。

 言語では、型システムが安定し、モバイルアプリケーション/UIフレームワークのFlutterをSDKに導入した。Flutterにより、iOSやAndroid向けアプリを短時間で構築できるとしている。このほか、チェックモードがなくなり、インスタンス作成キーワードがオプションとなった。

 ツールでは、Web開発関連のツールが変更となった。pub buildとpub serveを置き換えるなどビルドシステムが新しくなり、ChromeにDart仮想マシン(VM)を統合したDartiumのサポートがなくなった。dartdevc、dart2jsと2種のJavaScriptコンパイラが加わり、JavaScript開発モデルの受け入れを進めた。

 Dartチームによると、GitHub上でこの四半期最も成長した言語の1つであり、GoogleではWebアプリ開発で使う言語の1つとなっているという。実際、Google Ads、Google ShoppingなどのプロジェクトでDartが利用されているという。

Dart
https://www.dartlang.org/